石川県立高の入学式が8日、行われた。能登半島地震の被災地では避難や転居で地元を離れた子どもも多く、生徒が減少した学校もあった。それでも新入生は「地域貢献したい」「数学を勉強したい」と思いをはせ、新たな一歩を踏み出した。
1923年に創立した輪島市の輪島高には昨年より14人少ない76人が入学し、平野敏校長が式辞で「101年間で最も少ない」と説明。同校を選んだ新入生と保護者に感謝を述べた後、「未来を生きるために必要な力を3年間で学んでほしい」と呼びかけた。
珠洲市の飯田高では地震後在校生が20人以上転校するなどし、新入生は例年から半減し51人だった。体育館の床は波打ち、天井の照明の一部は壊れたままだ。
自宅が損壊し親戚の家に避難する同校1年の知家日菜乃さん(15)は「環境が変わって不安だった。ボランティアに参加して、地域に貢献したい」と意気込む。母の美也子さん(42)は「学校には仮設トイレしかないので早く水が通るようになってほしい」と望んだ。
輪島市内では市立門前中も食堂の一角で入学式を開催。新1年生7人が制服の胸元に花のコサージュをつけて入場し、会場は保護者らの拍手に包まれた。新入生代表の中田洸太郎さん(12)が「困難の真っただ中だが、多くの支援があり入学の日を迎えられた。感謝の気持ちを忘れず、学校生活を大切に過ごしたい」と誓った。〔共同〕
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