24日は『土用の丑の日』。ウナギを食べる人も多いのではないでしょうか。一般的に食卓に並ぶのは国産の ”二ホンウナギ” か外国産の ”ヨーロッパウナギ” …。しかし、ほかにも富山湾には “ウナギ” と名のつく魚がいるのをご存じでしょうか。富山県魚津市の魚津水族館の学芸員で、魚の生態に詳しい不破光大さんが教えてくれました。
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見た目が似てるから… “ヌタウナギ”?
不破さんが見せてくれたのは、富山湾に生息している “ウナギ” と名の付く、ニョロニョロとした魚です。
魚津水族館学生員 不破光大さん:
「“ヌタウナギ” っていうんですけど、これ、気持ち悪いですよ。なんじゃこれっていう」
記者:「ヘビみたいですね…」
不破さん:「そうですね。これ気持ち悪いなぁ」
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こちらはヌタウナギ科の「ヌタウナギ」と呼ばれる魚です。名前からウナギの仲間のようですが、全く別の生き物です。
富山湾では水深70メートルより深い刺し網や定置網にかかることがあり、深海まではいかないものの、比較的深い海底に生息しているといいます。
魚津水族館学生員 不破光大さん:
「ウナギという名前がついていますが、これは軟骨魚類で、ウナギとは遠い魚です。見た目がニョロニョロしてるから “ウナギ” って名前がついてるだけです。普通のウナギは硬骨魚類なので全く違う進化をしています。普通、魚ってこのあたりに目がありますが、痕跡程度しかなくて、いわゆる眼球を持った “目” というものがない。光ぐらいは感知できるので、一応、明るいか暗いかは、わかるみたいです」
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別物なのに、かば焼きにするとおいしい?
ウナギに体形は似ていますが、全く別物の「ヌタウナギ」…表面はヌタと呼ばれる粘液で覆われ、目が皮膚の下に埋まり外見からは目があった痕跡しか確認することはできないのが大きな特徴です。ほかにも…。
魚津水族館学生員 不破光大さん:
「無顎類とか円口類って言われるんですけど、顎がないんですよ。無顎なので。ヤスリ状の歯があって、それでもって海底に落ちてきた死骸なんかを削り取って食べるっていう生活をしています。目もないし顎もない」
ヌタウナギは顎がないことから無顎類や円口類とよばれる魚の仲間に分類されるといいます。
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お腹には小さな穴が開いていて、外敵に襲われたりすると身を守るために、その穴からスライムのようなデロデロとしたものを出すといいます。
魚津水族館学生員 不破光大さん:
「例えば、捕食者などにガブって嚙まれたりすると、そのヌタヌタを出すことによって、それが捕食する側の魚にまとわりついたり、エラに引っかかったりして「なんだこれ?」ってなってるうちに逃げちゃうんです」
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ウナギとは全く別の生態をもつヌタウナギ。グロテスクな雰囲気と、得体のしれなさが漂っていますが…なんと…通常のウナギと同様、かば焼にして食べるとおいしい魚だそうです。
今が旬!触感はホルモンのような珍味…
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魚の駅「生地」では少し乾燥させたものを冷凍して販売しているということです。
ヌタウナギは今が旬で、塩焼きにしてもおいしいということです。ホルモンのような食感がする珍味にこの夏、挑戦してみてはいかがでしょうか。
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