AGCは24日、二酸化炭素(CO2)と水からエチレンを製造する技術を持つカナダのスタートアップ企業、サートシステムズと共同研究契約を結んだと発表した。AGCが製造販売している樹脂原料にCO2を活用できないか検討する。CO2を回収・利用する技術の研究を進め、2050年にCO2排出ゼロをめざす。

AGCが検討を進めるエチレン製造・活用のイメージ図

AGCが自社で排出するCO2や空気中のCO2を回収してエチレンの原料にすることを想定している。エチレンは水道管などに使われる塩化ビニール樹脂や半導体製造、電線などに使われるフッ素樹脂にする。CO2由来のエチレンにすることで、石油資源の使用も減らすことができる。

サートシステムズは20年、CO2と水から電気分解によってエチレンを製造する実証実験に世界で初めて成功した。エチレン1トンごとに3トン超のCO2を固定化できるという。電気分解で使う触媒技術から製造設備の運営まで一貫した技術を持つ。

ただ、小規模の実証にとどまっており、実用化には生産効率を高めるなどの課題がある。水素とCO2からエチレンを製造する研究も進んでいる。ただ、原料となる水素を製造する際のCO2排出量を抑えようとすると、製造コストがかさむ問題がある。

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