ロームが整備を進めている新工場(宮崎県国富町)

宮崎県は24日に開いた企業立地推進本部会議で、ロームが同県国富町で整備を進めている新工場について、「11月末に試作レベルで稼働開始している」と報告した。新工場は敷地面積が約40万平方メートルで、半導体材料である炭化ケイ素(SiC)基板と電圧制御用のパワー半導体を一貫生産する。当初は2024年中に基板の生産を始める予定だった。

同日の会議で、県企業立地課の担当者は新工場の本格稼働時期について、「報告を受けていない」と述べるにとどめた。26年度末にロームグループ社員や作業請負会社などの社員を含めて計700人規模の就業を想定しているが、ロームは25年3月期の連結最終損益が60億円の赤字になる見通しで、投資戦略の見直しを進めている。

新工場を巡っては、23年12月にロームの生産子会社のラピスセミコンダクタ(横浜市)と県、国富町が立地協定を締結。同月には県内の産学官が「みやざき半導体関連産業人材育成等コンソーシアム」を設立している。同コンソーシアムは24年8月に高校生とその保護者を対象として、整備が進む新工場の見学会を行っている。

県は今後、周辺道路の渋滞対策などについて関係機関と連携して環境整備を進めていく。また、半導体関連企業の誘致や人材確保に向けて台湾企業を訪問し、関係強化を進めていくことも報告した。

【関連記事】

  • ・ローム、12年ぶり最終赤字
  • ・ロームのSiCパワー半導体、「成功のカギは筑後にあり」
  • ・ローム、宮崎にパワー半導体新工場 3000億円投資

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。