解体される家の前に立ち、思い出を話す住民の大田宏さん(8日午前、石川県穴水町)=共同

能登半島地震で大きな被害が出た石川県穴水町で8日、自治体が所有者に代わり全半壊した住宅を撤去、解体する「公費解体」が始まった。作業に立ち会った住民は「思い出のあふれた家がなくなるのはつらい」とやるせない様子で見守った。

この日解体されたのは、同町の会社員、大田宏さん(62)方の一軒家。地震後に徐々に傾き、倒壊する危険があったという。工事は、道路の通行を時折規制しながら行われ、路上に瓦や木材が散らばるたび、作業員らが手作業で片付けていった。県によると、穴水町では6日時点で住宅約1900棟の全半壊が確認されている。

公費解体は能登町で3月にスタート。珠洲市や輪島市では4月から申請が始まった。

環境省によると、輪島市や珠洲市など被害の大きかった6市町では、二次被害が懸念される建物を対象とした「緊急公費解体」も実施。4月1日時点で138件実施されている。〔共同〕

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