観測史上初めて震度7を2回記録し、熊本、大分両県で計276人が死亡した2016年4月の熊本地震は、2度目の激震「本震」から16日で8年となった。被害の大きかった熊本県阿蘇地域では午前1時25分の発生時刻に、遺族らが鎮魂を祈った。45人が死亡した同県益城町の町役場では同日午前8時25分ごろ、職員らが黙とうした。
熊本地震で、熊本県では災害関連死が218人と直接死の4倍超に上り、避難の在り方が課題となった。能登半島地震の被災地に教訓を伝えようと、熊本からは官民挙げた支援が続いている。
同県南阿蘇村の、崩落した阿蘇大橋の近くでは、車ごと土砂崩れに巻き込まれて亡くなった大学生、大和晃さん(当時22)の両親が、暗い谷底に祈りをささげた。
父の卓也さんは「何もなければ帰ってきてくれた。数秒の差だったと思う」と涙を浮かべた。
南阿蘇村の黒川地区では、東海大農学部の学生3人がアパートの倒壊で死亡。被害や教訓の語り継ぎを続ける卒業生の橋村さくらさんは16日未明、アパート跡地で「地震がもたらす被害を少しでも感じてほしい」と学生9人に訴えた。
農学部3年の西原寛人さんは「今日学んだことを、自分の言葉で家族や友人に伝えたい」と話した。〔共同〕
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