品種改良を行わずに長い時間をかけて受け継がれてきた珍しい「固定種」にこだわり野菜を育てる農家が岩手県北上市にいます。
今が旬のダイコンの収穫に密着しました。

(伊藤修司さん)
「こんな風に中が赤くなっているんです。サラダにするときれいです」「生で食べても甘味がある大根」

北上市更木の農家伊藤修司さん51歳です。
20年近く勤めた自衛隊を辞め8年前に農業を始めた、いわゆる「脱サラ」の農家です。


伊藤さんが育てるのは、ほとんど店頭に並ばない珍しい種類の野菜です。
その野菜は「固定種」と呼ばれるものです。


固定種とは、改良を行わずに長い時間をかけて受け継がれてきた品種のことです。
伊藤さんが固定種にこだわる理由とは?


それぞれの特徴とは?

(伊藤修司さん)
「紅芯大根って元々、中国の野菜。こんなふうに中が赤くなっている皮をむかないでこれを細切りにしてサラダにすると赤と緑と下の方が白いので、3色入ってキレイなサラダになります」

青長大根も中国由来の野菜で中が緑色の珍しいダイコンです。
緑色の部分はとても甘く、伊藤さんは「大根おろし」で食べるのがお薦めだと話します。

(伊藤修司さん)
「これはヨーロッパ、イタリアの方では一般的な大根なんだけど皮が黒い黒丸大根。皮ごと使って大根のステーキにするとめちゃめちゃうまいです。オリーブオイルや菜種油で両面をソテーしてもらうと、本当味がこいので塩をちょっと入れるくらいであとは大根の味で十分」

品種改良を行っていない固定種はデリケートな野菜です。
この日は朝の気温が氷点下5度を下回り、収穫を終えないとダイコンの品質が低下するため仲間を集めて一斉に収穫しました。
さらにこんな工夫も…


土の中は凍らないため、3月まで保存することができ、甘みも増すといいます。
珍しい固定種の野菜を作り続ける伊藤さんに今後の目標を聞きました。

(伊藤さん)
「配達に行くと子どもさんが出てきて、きょうは何を持ってきたのと言ってくれたりするのでお客さんに野菜をお渡しするのが畑にいるよりそっちが楽しいですね。
70歳、80歳になってもやり続けていれば自分の人生は成功じゃないかと思います」

伊藤さんが育てた野菜は、花巻市で雑貨などを販売する「おいものせなか」や、「田葉子屋」に出荷されていて、毎週金曜日に買うことができます。

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