ドジャース・大谷翔平選手の快挙達成の余韻も冷め切らない中。
盛岡の老舗そば店、直利庵が「ホームラン印 野球そば」というメニューを発売したと聞き、早速伺ってきました。
こちらが「直利庵」です。
わんこそばの名店として名高いですが、コロナが流行して以来、わんこそばの提供をやめ、丼に入った温かいおそばや、ざるそばなどの冷たいおそばを中心ととしたメニューに切り替えて営業しているそうです。
このお店で9月13日から提供されているメニューが「ホームラン印 野球そば」です。なんか、新メニューにしては大物感ただよう名前ですね。
実はこのメニュー、「新発売」じゃないんです。
お店で提供されていたのはなんと、昭和10年ごろ。
昭和10年に地元の新聞に掲載されていた広告がこちらです。
確かに松井弥兵衛さんのお話をうかがうと、わんこそば、天ぷらそばや「カレーそば」などをいち早くメニューに取り入れたり、横綱そば、小鳥そばなど、今では「どんなレシピだったかわからない」といわれる変わったメニューのそばを考案するなど、アイデア豊かな人だったようです。
そんな弥兵衛さんがベーブ・ルースのホームランを見たら・・・・
そりゃ「野球そば」か「ホームランそば」を作りたくなるはず!
しかし、復活までにはかなりご苦労されたようです。
地元の新聞に「食べたことがある方はいませんか」という広告を載せたりして情報提供を求めますが、情報は得られず。
早速(と、言いつつかなり引っ張りましたが・・・)、令和に復活した「ホームラン印 野球そば」をいただきます。
なんと「冷たいおそば」です。
「5月に広告を出していましたので、冷たいそばではないかと推測しました」(松井裕子さん)
芝生をイメージした「めかぶ」とボールをイメージした「温泉卵」、そしてバットをイメージしたエビの天ぷらが乗っています。
エビの天ぷらはかなり大きく、立派です。
まさに「ベーブ・ルース」のバットです。
めかぶのねばりと、歯ごたえが良いアクセントになっています。
そして、さすが名店だけにおそばの香りがとても良いです。
つゆは主張過ぎず、でもしっかりと良い後味が残ります。
おいしいです。
直利庵さんにはメジャーリーガー、菊池雄星さんが何度か来られたことがあるそうです。そこで聞いてみました。
「大谷選手が来られたら、何を食べて欲しいですか?」
即答です。「野球そばです」。
これは、愚問でしたね。
おじいさんの味を追い求め、たどりついた令和の「野球そば」。
おじいさんの作られた「野球そば」が「ベーブ・ルース」とすれば、裕子さんが作られた「令和の野球そば」は大谷翔平選手、とでも申しましょうか。
これから大谷選手のように、みんなから愛されるメニューになることを期待したいと思います。
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