能登~羽田便 1日2往復の運航に
「中屋トンネル」にう回路が整備
輪島 西保地区につながる県道が復旧
石破首相 被災者ニーズ把握した支援継続を指示
25日の午後の便には乗客42人が乗り込んだということで、能登空港に到着すると空港の職員が展望デッキから手を振って出迎えました。千葉県に住む孫を迎えに来た志賀町の60代の女性は「これまでは午前中の早い時間の便しかなくて早起きしないと飛行機に乗れませんでしたが、午後の便もできたので、この日をねらって孫が来てくれました」と話していました。
通行止めが続いていた輪島市の「中屋トンネル」の周辺にう回路が整備され、25日から地元の住民や緊急車両に限って通行できるようになりました。輪島市門前町と市の中心部を結ぶ国道249号の「中屋トンネル」は、能登半島地震で通行止めになり、復旧工事が進んでいましたが、ことし9月の豪雨で大規模な土砂崩れが起き、作業員1人が死亡しました。その後も通行止めが続いていましたが、周辺の県道や市道をう回路として整備することになり土砂の撤去などを進めた結果、25日から地元住民や緊急車両に限って通行できるようになりました。う回路ができたことで、輪島市門前町と市の中心部の間の移動時間は30分ほど短縮されるということです。市内に住む80代の男性は「門前町を経由して志賀町へ行きやすくなって助かります」と話していました。国土交通省能登復興事務所の山本貴司マネージャーは「買い物や通院などで地元の人に利用してほしい」と話していました。一方、中屋トンネルの通行再開には時間がかかる見通しで、トンネルの前後の道路が崩落した部分に仮設の橋を整備した上で、2025年夏ごろに2車線で通行を再開できる見通しだということです。
通行できるようになったのは、輪島市の浦上地区から西保地区の下山町につながる県道のおよそ15キロの区間です。この県道は9月の豪雨による土砂崩れで通行できなくなり、西保地区につながるのは山あいの幅の狭い林道だけになったことから、車での行き来が難しい状態が続いていました。西保地区の住民はほとんどが仮設住宅などに避難していますが25日から地元の人や緊急車両に限って県道を通行できるようになり、さっそく住民が地区に向かう姿が見られました。西保地区の上大沢町では住民が豪雨の被害の跡が残る墓を訪れ、手入れをしていました。上大沢町の自宅が被災し、輪島市内の仮設住宅で暮らす84歳の男性は「県道が開通すると聞いたので飛んできました。まだ電気も水道も使えず、住めるのはいつになるのかわかりません」と話していました。
石破総理大臣は25日、総理大臣官邸で坂井防災担当大臣と会談し、本格的な冬を前に能登半島の被災地に内閣府などの職員を派遣して行った聴き取りの結果について、報告を受けました。この中で坂井大臣は、避難所は暖房やダンボールベッドが設置されている一方、被災者からは、避難生活が長期化することへの不安の声が多く聞かれたと説明しました。これに対し、石破総理大臣は、今後も被災者のニーズを丁寧に把握しながら、支援を続けるよう指示しました。このあと坂井大臣は記者団に対し「被災者には局面、局面で不安に思うことがあり、要望もある。能登の創造的復興が一刻も早く実現するよう努力したい」述べました。
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