政府は来年2月までに国連に提出する温室効果ガスの新たな削減目標を検討する有識者会合を開き、「2035年度に2013年度比で60%削減」とする案を取りまとめました。

 環境省と経済産業省は今月24日、2050年までに二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量を実質的にゼロにするため、温室効果ガスの新たな削減目標を検討する有識者会合を開きました。

 温室効果ガスの削減目標を巡っては、日本を含むパリ協定の加盟国は5年ごとに新たな削減目標を国連に提出することが求められています。

 日本は2021年に「2030年度に2013年度比で46%削減」という目標を策定していて、2035年度までの新たな削減目標を来年2月までに国連に提出する必要があります。

 そのため、今年6月に環境省と経済産業省の有識者会合が発足し議論を行ってきました。

 そして、先月25日に「2035年度に2013年度比で60%削減」という新たな削減目標案が初めて提示されました。

 しかし、この政府案に対し、環境団体や研究者などからはパリ協定で決定した「世界の平均気温上昇を産業革命前と比べて1.5度に抑える」という目標を達成するために「2013年度比で66%削減が必要」などと数値目標の引き上げを求める声があがりました。

 そんななか、今月24日の会合では改めて「2035年度に2013年度比で60%削減」という政府案が示されました。

 出席した委員からは「国際社会や消費者に対して発するメッセージとしては高い目標を掲げることが重要だ」といった意見が出た一方、「政府案は国際的に見て十分に高い目標である」「経済的な影響も考慮して現実的な目標を掲げるべき」などといった意見も出ました。

 当初、予定されていた時間を超えて委員の意見が交わされましたが、最終的には「60%削減」とする案が了承されました。

 政府はパブリックコメントや閣議決定を経て、この新たな削減目標を来年2月までに国連に提出する方針です。

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