3

2024年、今年も色々なことがありました。どんな1年だったのか、振り返りながら今年のニュースを見てまいりましょう。

■2024年 実は知らない!?変わったこと

皆さん、気づいていないかもしれませんが今年もたくさんのことが変わりました。

7月には20年ぶりに新紙幣が発行されました。ペイペイでの給与支払いも始まるなど、キャッシュレスも進んできました。

この記事の写真

郵便料金も上がりました。年賀状を買って、値上がりにびっくりされた方もいるのではないでしょうか。いわゆる手紙、定型郵便物は84円から110円に、はがきは63円から85円になりました。消費税アップに伴うものではない、純粋な値上げはとても珍しいことです。

昭和世代にはお馴染みだった電話帳がついになくなることになりました。(2026年3月末まで)130年もの歴史をもつ紙の電話帳がなくなるのはちょっと寂しいことです。また、番号案内サービスとしておなじみの104も同じタイミングでなくなることになりました。今はネットで調べられる時代です。利用者が99%も減っていたため、というのが理由です。

そして11月からは自転車の交通違反に対する罰則が厳しくなりました。

スマホを見ながらの「ながら運転」は自転車に固定したものも含め、画面を注視すると6か月以下の懲役または10万円以下の罰金が科されることになりました。さらにこれまではあまり厳しくなかった飲酒したときの運転も、これからは酒気帯び、つまり少しでもお酒を飲んで自転車に乗ると、3年以下の懲役、または50万円以下の罰金となりました。

次のページは

■2024年 中国の態度軟化の理由はトランプ新大統領!?

■2024年 中国の態度軟化の理由はトランプ新大統領!?

今年は中国と日本の関係も変化しました。去年の原発の処理水放出以来、中国は日本産水産物の輸入を停止してきましたよね。それが今年9月、急に中国は輸入再開に合意しました。現在は輸入再開に向けた調査が行われています。また、11月には日本人が中国を訪れる際のビザ免除措置を再開することで一致しました。

このところ日本と中国はちょっと緊張感のある関係が続いていました。一体なぜ、急に中国は態度を軟化させたのでしょうか。

実は中国は今大変景気が悪い状態にあります。例えば若者の失業率を見てみてみましょう。中国は17.1%、日本は4.1%となっています。(中国:16〜24歳 日本:15〜24歳)

日本の4倍もの失業率です。なので日本に優しくすれば、もっとたくさんのモノを日本に買ってもらえるのではないか、そしてもっとたくさんの日本人が観光に来てくれるのではないか、そう思っているというわけです。

そしてもう一つ、最大の理由はトランプ次期大統領です。

前回トランプさんが大統領だったときは米中貿易摩擦が起きていました。

トランプさんは大統領選挙中、中国には60%の関税をかける、と言っていました。今回もまた米中関係の悪化が心配されているんです。そうなると中国としては「日本と対立してる場合じゃない」ということになりますよね。アメリカが買ってくれないならその分日本に買ってもらわないと!、となるわけです。そして今年は総理が岸田さんから石破さんに代わりました。中国は石破さんのことを対中穏健派とみています。つまりこれまでよりも中国にとっては付き合いやすい相手だろう、と思っているわけです。それでここへきて急に関係を改善してきた、というわけです。ということは中国は相当追い詰められている、ともいえるわけですね。

次のページは

■2024年 日本の政治は転換点を迎えている!?

■2024年 日本の政治は転換点を迎えている!?

日本の政治のニュースと言えば石破政権の誕生です。総選挙の結果、これまでよりおおきく議席数を減らし、自民党と公明党、与党だけでは過半数に達しないことになりました。いわゆる少数与党と呼ばれる状態です。

ここで注目したいのは今後予算案がどうなるか、です。予算案とは国のお金の使い方を決める、最も重要と言われる法案です。いわば日本の国の形を決めるものですからそれは大切ですよね。その予算案の決め方がこれまでとは変わりそうなんです。

これまでは与党だけで過半数をとっていましたから、与党が通したい内容でそのまま決めることができていました。でもこれからはそれでは予算案が通りません。

だから、野党の意見を聞く必要が出てきたわけです。今回103万円の壁をめぐって与野党で協議をしていますよね?それはこういう理由です。

そして今回は国会の重要なポストに多くの野党議員が選ばれています。

国会には常任委員会というものがあります。すべての法案を議員全員が参加する本会議で話し合っていてはいつまでたっても終わりません。そこで総務や環境、外務などと分野ごとに委員会をつくり、そこで少人数で話し合い、その結果を受けて本会議で議決をする仕組みです。

その委員会の委員長、総選挙前は野党が務めていたのは決算行政監視委員会と懲罰委員会の2つだけでした。いわばあまり重要ではないポストだけだったんですね。

それが選挙後は7つにまで増えています。

しかも法務や安全保障と言った重要な委員会のトップも野党が務めています。

そしてなんといっても注目は予算員会の委員長です。今は立憲民主党の安住さんが務めています。テレビ中継もされる花形の委員会のトップを野党がとった、これは大きな変化です。では委員長を野党がとることでどう変わるのでしょうか。

これまで与党がトップを占めていた時には「強行採決」を行うことが出来ました。

野党側が「もっと審議を!」と求めても、委員長が「採決します!」と強行してしまえばそれで終わりでした。でも野党がトップの場合はそうは行きません。「もっと審議をしましょう!」となりますよね。

でも1つ決めるのに今まで以上に時間がかかるという可能性も出てきます。ただ一つ言えるのは、与党は野党の意見を無視することはできなくなった、ということです。それに野党も反対し続けることはできなくなります。だってずっと反対していたらいつまでたっても予算が通りませんから。それでは日本がマヒしてしまいます。となると、お互いに歩み寄って妥協点を見出す必要があるわけです。つまり与野党がこれまで以上に真剣に、責任をもって議論する「チャンスが生まれた」わけです。みんなでしっかり議論して法案を通す、本来の民主主義の在り方になるのかもしれません。

一体与野党がどのように国会を運営していくのか、民主主義を発展させることができるのか、これまでの国会の在り方とは大きく違う、まさに日本の政治の転換点になるのかもしれません。これからのニュースに是非注目してください。

(池上彰のニュースそうだったのか!!12月21日OAより)

今年あったニュースについて池上さんの詳しい解説は TVerへ!

この記事の写真を見る
・【池上解説】ネット炎上に参加するのは実は高収入な人!?データでわかる意外な真実・【池上解説】1DKに4人で生活!?格差ひらくロサンゼルス最新事情・女性やカップルの恥ずかし画像も…知らない相手に写真流出 LINEアルバム誤表示13万人・日本人に初「むち打ち刑」20回 強姦罪で判決 シンガポール…禁錮17年6カ月に加え・男子中学生(15)が行方不明に 授業中、突然教室を飛び出す 新潟・長岡市

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。