政府が全国の原発周辺の自治体に、放射性物質の侵入を防ぐ可搬型の防護テントを配備する方針を固めたことが21日、内閣府への取材で分かった。事故時に高齢者などの一時避難先となる放射線防護施設が地震などの被害で使えない場合に、被ばくを防ぐために用いる。能登半島地震で施設の損傷が相次いだことを踏まえた。  原発事故では、広範囲に拡散した放射性物質を呼吸で体内に取り組む内部被ばくの対策が求められる。新たに配備するのは、空気で膨らませて設営する「エアテント」。フィルター付きの送風機で内部の気圧を高く保ち、放射性物質の侵入を防ぐ。気圧の管理が必要で耐久性に懸念もあり、長期間の避難には不向きだ。数日程度の滞在を想定している。  テントは縦10メートル、横8メートル、高さ約2・5メートルで40人程度を収容できる規模を検討。居住区画と、水を使わないトイレのスペースに分かれ、1時間弱で設営できる。放射線の遮蔽効果がある鉄筋コンクリートの体育館など広い室内に設置する。   原発から10キロ圏内の防護施設への配備を想定している。

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