日本政府観光局によりますと11月、日本を訪れた外国人旅行者は推計で318万7000人で、1月から11月までの累計は3337万9900人となりました。

過去最多だったコロナ禍前の2019年1年間の3188万人をすでに上回り、コロナ禍で落ち込んだ訪日の旅行需要が大きく回復した形です。

2019年の11月までと比べた累計では、
▽韓国は49%
▽台湾は22.3%
▽アメリカは57.4%
それぞれ増加した一方、
▽中国は28.2%減少しています。

政府は、2030年に日本を訪れる外国人旅行者を今の2倍近くとなる6000万人に増やす目標を掲げています。

一方、足元では、旅行者が観光地に集中し地域住民の生活に影響が出るオーバーツーリズムが課題となっていて、観光地としての新たな魅力を開拓しながら地方各地への分散化を図るなどその対応が急がれています。

訪日外国人旅行者 国や地域別でコロナ禍前からの変化も

日本を訪れる外国人旅行者は、国や地域別にみると、コロナ禍前からの変化も見られます。

日本政府観光局によりますと、コロナ禍前の2019年に最も多かったのは中国からの旅行者で959万人
次いで、
▽韓国の558万人
▽台湾の489万人
▽香港の229万人などとなっていました。

一方、ことし1月から11月までの期間でみると、
▽最も多いのが韓国で795万人
次いで、
▽中国の637万人
▽台湾の555万人
▽アメリカの248万人などとなっています。

中国と韓国が入れ替わった理由について、日本政府観光局は
▽中国の景気減速などを背景に日本との航空便がコロナ禍前の7割ほどにとどまっている一方、
▽韓国は、日韓関係が良好なことなどが挙げられるとしています。

韓国からの旅行者数は、ことしの累計ですでに過去最多となっています。

また、円安を背景に欧米からの旅行者が好調で、このうちアメリカは、若者や家族連れの旅行者が増え、コロナ禍前の同じ時期と比べて57.4%多くなっています。

ヨーロッパは、円安に加えて、中国経由で価格を抑えた路線の利用者が増えていることなどから、ドイツ、イタリア、スペインでは、コロナ禍前より4割ほど増えています。

観光庁長官 “観光地や政府などの取り組み 効いている”

観光庁の秡川直也 長官は会見で「観光地や政府などの全体の取り組みが効いてきて、いろいろな効果がかみ合っている結果で、非常に調子がいいというのはありがたい。これから先には、さらに年間6000万人という目標もあるので、そこに向かって取り組みを続けたい」と述べました。

また、オーバーツーリズムへの対応について、秡川長官は「当然、人数が増えてくるとそういう問題も出てくると思うが、場所によって状況は違うので、現場にあったやり方を相談しながらやっていきたい」と述べました。

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