北海道東部の網走市にある網走地区消防組合は12日、心肺停止状態の患者を乗せた救急車が物損事故を起こし、医療機関への到着が約8分遅れた、と発表した。患者は病院で死亡が確認された。消防組合は患者の家族に謝罪した。
消防組合によると、11日午後8時30分頃、網走市南10条東3丁目の道道で、緊急走行中の救急車が積雪路面でスリップした。現場は長い下り坂で、救急車は2車線を約80メートル左右にふらつきながら滑り続け、道路左側の歩道に乗り上げて、住宅前の立ち木に衝突した。
自宅で入浴中に心肺停止状態となった80代の男性を搬送しているところで、別の救急車に男性を乗せかえて救命措置を続けながら医療機関へ搬送した。
事故当時の網走市内の気温は零下6度ほど。路面はアイスバーンとシャーベット状の雪だったという。
消防組合の近藤優消防長は「緊急自動車の安全運行について再教育を実施し再発防止に努める」と話した。
消防組合は、網走市と隣接する大空町の1市1町で構成している。
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