「遺骨は見つかる可能性が高い」と述べる水中探検家の伊左治佳孝さん（右）＝衆院第２議員会館で
◆収集に乗り出したのは国ではなく市民団体
「一番は、遺骨のある場所まで到達し、ルートを確保すること。一つでも見つけることができれば、後は繰り返し回収できるようになる。『これを続けていけば回収できる』という、ところまで持っていきたい」 伊左治さんは来年1月31～2月2日の3日間の予定で行う調査で、遺骨回収の道筋を付けることを目標に挙げた。 事故は1942年に発生した。水没は坑道の出入り口「坑口」から1キロ先で起きたとされ、事故後は遺体も収容されず閉鎖された。国が遺骨収集に応じない中、犠牲者の追悼を続けてきた地元の市民団体「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」が収集に乗り出した。◆最初の調査ではあと300メートルまで迫った
伊左治さんは自ら協力を申し出て、10月に初調査した。事故後初めて坑道内に入ったのが伊左治さんになる。命綱が尽きて200メートルほど先で引き返したが、300メートル地点が事故直後に多くの労働者が集まったエリアで、遺骨が眠っている可能性が高いとみられる。 坑道内は水が濁り、木や金属の残骸が行く手を遮るが、残骸の間を縫って命綱を通すことで200メートル地点まではルートを確保できた。もう100メートル進むことは十分可能とみている。◆閉鎖環境で潜るスキルは日本でトップクラスと自負
伊左治さんは「坑道でトラブルが発生しても、浮上して逃げることはできない...残り 767/1533 文字
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