【オスロ時事】日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)へのノーベル平和賞授賞式が10日(日本時間同日午後9時)、ノルウェーのオスロ市庁舎で開かれた。田中熙巳代表委員(92)ら3人の被爆者にメダルと賞状が贈られた。
日本人の平和賞受賞は1974年の故・佐藤栄作元首相以来50年ぶりで、団体では初。日本被団協が活動の柱にしてきた核兵器廃絶の実現に向けた大きな推進力になる。
式典には、被爆者や被爆2、3世らが出席。ノルウェー王室や要人らが見守る中、田中さんが受賞講演する。
ノルウェー・ノーベル賞委員会は10月の授賞発表で、日本被団協が結成以来、約68年間にわたって「核兵器のない世界を実現するために努力し、核が二度と使用されてはならないことを証言を通じて示してきた」と指摘した。
また、市民らを交えた草の根運動で「核の使用は道徳的に容認できないという国際規範『核のタブー』が形成されてきた」と評価。その上で、現在進行中の戦争で核使用の脅威が示されるなど、「タブーが圧力を受けている」と述べていた。
日本被団協は56年結成。核軍縮に関する国連などの国際会議にも被爆者を派遣し、核廃絶を訴えてきた。2017年、核兵器禁止条約を推進するため共に活動した核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)が同賞を受賞した際、田中さんら日本被団協の2人も授賞式に招かれた。
ノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)代表委員の(右から)箕牧智之さん、田中重光さん、田中熙巳さん=10日、オスロ
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