大分市の一般道で2021年、時速194キロで乗用車を運転し右折車と衝突、男性会社員(当時50)を死亡させたとして、自動車運転処罰法違反(危険運転致死)罪で被告の男(23)を懲役8年とした大分地裁の裁判員裁判判決は量刑不当だなどとして、遺族側が4日、控訴を求める意見書を大分地検に提出した。求刑は懲役12年だった。

弁護側は同法違反(過失致死)罪適用を訴えていた。判決後、検察側は「主張が一部受け入れられなかったことは遺憾」とコメントしたが、双方とも控訴するかどうか明らかにしていない。控訴期限は12日。

意見書は量刑に関し「前代未聞の常軌を逸した速度で死亡事故を起こしたという事実に照らせば、あまりに軽い。一般予防の効果を著しく損ねる」と主張。判決が、危険運転罪の「妨害目的」を認定しなかったことも事実誤認だと指摘した。

死亡した小柳憲さんの姉、長文恵さん(58)は「危険運転を認められたからそれで良いという気持ちになれない量刑だった」とコメントを出した。〔共同〕

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