この催しは、地震や大雨からの復興を目指す能登半島を支援しようと企画されたもので、会場となった東京駅前の商業施設では、能登半島を中心に北陸地方の工房や企業が出店しています。

このうち石川県七尾市でガラス製品を制作する工房のブースでは、能登半島のけいそう土を使ったグラスや花瓶などを紹介していました。

また、会場には、地震で被害を受けた輪島塗の工房などの被災前の様子をVR技術を使って再現するコーナーも設けられ、訪れた人は専用のゴーグルをつけて当時の様子を体験していました。

出店を地域に呼びかけた七尾商工会議所の宮田良一郎中小企業相談所長は「復興への道のりは長く、これから始まります。会社を再建していくために、売り上げをもとの水準に戻していくことが私たちの願いです」と話していました。

このイベントは12月7日まで開かれます。

輪島塗の工房では 傷ついた器に金継ぎを施し販売

今回出店している輪島市小伊勢町の工房では、ことし1月の地震で、制作途中の複数の器が棚から落ちるなどの被害が出ました。

工房によりますと、断水などの影響でことし4月上旬まで休業を余儀なくされ、その間に工房を離れた職人もいたということです。

今回の展示会では、地震に負けないという思いを込めて作った、地震で傷ついた器に金継ぎを施した輪島塗を販売しています。

工房では、地震からまもなく1年がたとうとしている今、輪島塗の作品をとおして、少しずつ前に進もうとしている自分たちの思いを感じ取ってほしいとしています。

工房で専務を務める塩安愛子さんは「地震の被害はショックでしたが、なんとか仕事は続けられました。能登半島の地震を忘れないでもらいたいという思いもありますし、こういった場所で、実際に手に取って見ていただけることがうれしいです」と話していました。

展示会に訪れた人は「少しでも応援したい」

展示会を訪れた都内で暮らす富山出身の30代の女性は「現地はまだまだ大変な状況だと思いますが、この展示会に出店している方たちは、前向きで熱量を感じました。被害を受けた地域の物を買うことでも応援につながると思うので、現地のことを忘れずに自分のできることを続けたいです」と話していました。

千葉から訪れた70代の男性は「本当は現地に行って何か支援をしたいですが、なかなかそれがかなわないので、少しでも応援したいという気持ちです。現地の人たちが一日も早く元気になり、元の生活に戻ってほしいです」と話していました。

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