実在しない芸能プロダクションの社長になりすまし岩手県内の男女から金品をだまし取ったとして詐欺などの罪に問われている44歳の男に12月3日盛岡地方裁判所は懲役4年の判決を言い渡しました。

判決を受けたのは沖縄県宮古島市のレジャー業者従業員・浅野和男被告(44)です。

判決によりますと浅野被告は2022年実在しない芸能プロダクションの社長になりすまし入社を希望してきた県内の男女3人に「大阪で研修がある」とうそを言い必要経費として合わせて12万5000円をだまし取りました。

また入社を希望してきた別の県内の男性には「取引先へのおわびの品」と偽り立て替え払いでブランド品を購入させ合わせて約270万円相当の金品をだまし取りました。

このほかにも浅野被告は大阪のカラオケ店やオンラインサービスで知り合った人に対する詐欺・不動産会社で働いていた際の業務上横領それに沖縄県で飲酒運転もしました。

合わせて6つの犯行に及んだとされる浅野被告、県内の詐欺事件では「佐野かずと」という偽名の名刺を作るなどして計画的とも思える犯行に及んでいました。

初公判で浅野被告は「芸能プロダクションはいずれ作るつもりだった」「金は返すつもりだった」などと述べ否認していましたが後に一転して起訴内容を認めていました。

3日の判決公判で佐々木耕裁判官は詐欺事件について「会社の存在や身分を偽り被害者から複数回だまし取ったもので狡猾的で手慣れた犯行だ」「被害額は400万円近くに及び被害の結果が重大だ」と指摘しました。

この上で「浅野被告が全ての犯行を認めたことなどの事情を合わせて考慮した」として浅野被告に懲役4年の判決を言い渡しました。

判決の後傍聴していた盛岡市内に住む50代の男性が取材に応じました。

架空の芸能プロダクションへの入社を希望し必要経費の名目で約4万円をだまし取られた男性です。

詐欺の被害者 盛岡市50代男性
「奪われた金みんなのものも含めて全部返し終わってから反省してほしい。『安易にうまい話にのってはいけない』というのが教訓としてある。詐欺事件は難しいと言われている立証をするのが。岩手県警の人が頑張ってくれて感謝している」

最後に裁判官へ一礼をしながらも男性がいる傍聴席を見ることはなかった浅野被告。

浅野被告の弁護人は控訴について「現段階ではまだわからない」とコメントしています。

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