猛暑が続くなか、相次いでいるのが「室外機」の盗難です。被害に遭った飲食店はエアコンが使えず、室内が40℃を超えギョーザの仕込みができない事態に憤慨しています。
■銅の価格値上がりで…盗難急増
車の荷台に何かを運んでいる人物。よく見ると、エアコンの室外機のようなものや、束になったケーブルが無造作に積まれています。これは東京・八王子市で、19日午後9時過ぎに撮影された防犯カメラの映像です。
映像はさらに続き、重さのあまり1人では持てないのでしょうか、2人がかりで箱を運んでいます。被害者によると、この時給湯器や銅製のパイプなどが盗まれたということです。こちらは先月、千葉県の住宅街で撮られた写真。室外機がなくなっています。
被害者「(Q.とられたときどう思った?)たまげたなあと。しょうがないので一部屋は倉庫として使っています。昼間は暑くて入れたもんじゃない」 今、相次いでいる「室外機」の盗難。屋外に置かれているため盗まれやすく、さらに部品に使われている「銅」の価格が高騰していることが背景にあります。 国内の銅の価格はここ1年でおよそ30%上昇。今年に入ってからは1トンあたり40万円も値上がりしています。警察庁によると、去年1年間に全国で確認された「室外機」を含む金属類の盗難件数は1万6276件。前の年よりおよそ6000件増えています。
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■室内は40℃ ギョーザは「出荷を停止」■室内は40℃ ギョーザは「出荷を停止」
手包みしたモチモチの皮に、肉汁がたっぷり詰まったギョーザ。茨城県常総市にあるギョーザ店は、ランチタイムになると大勢の客でにぎわう人気ぶりです。 客「すごくジューシーなんですよ。おいしい!」
「おいしいです!」
一見、通常通り営業しているように見えますが、この店でも室外機が盗まれる被害が起きていました。
青春餃子 店主石川昇太さん
「ここですね。エアコンの室外機があって、切られて持っていかれてしまいましたね。1週間前です。エアコンを24時間稼働させているが、翌朝気づいたらエアコンが止まってて、見に来たらなくなってた」 店舗近くにある仕込み専用の作業場が被害に遭いました。 石川さん
「(Q.室外機がとられるって?)信じられないですよね。そもそもこれが持ってかれるものという認識がなかったので、対策をしてなく、防犯カメラもつけてませんでしたし」 去年撮影された写真には、同じ場所に室外機がありました。 番組スタッフが外の温度を測ると36℃でしたが、エアコンが使えなくなった作業場の中の温度計は40.3℃を示しています。
常総市近くの下妻市では、今月に入って35℃を超える猛暑日は4日を数え、暑さが続いています。室外機を盗まれた影響は…。
石川さん「ここでの仕込みは今やめてます。この温度だと人間的にも熱中症の心配があり、食材的にも食中毒の危険や品質の低下につながるのでできない。今は店舗で朝仕込んで、今までより仕込める量が減ったので、取引先もあったが、出荷を停止しています。売上にして30万円くらいの損失」
業者に連絡したところ、「室外機はエアコン室内機よりも高い」と言われ、9月末に作業場を閉鎖する予定もあって、購入を見送りました。
石川さん「(Q.犯人に言いたいことは?)この時期にエアコンとられたらどういう状況になるか想像してみてほしい」
(「グッド!モーニング」2024年7月26日放送分より)
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