借金を減額・免除する「債務整理」の依頼を受けた弁護士の一部が、日本弁護士連合会の規程に反して依頼者と直接面談せずに処理し、依頼者に不利益が生じているとして、消費者金融大手4社が連名で日弁連に対応を求める意見書を送っていたことがわかった。

 意見書を出したのは、消費者金融大手「アコム」「アイフル」「SMBCコンシューマーファイナンス」「新生フィナンシャル」。日弁連会長宛てに昨年9月に送付した。

 日弁連の規程では、債務整理を受任する弁護士には、依頼者と直接面談して、対応策や見通しなどを説明・報告する義務が課されている。

 意見書は、この義務に反して依頼者と面談や説明をしていないとみられる例が「多数散見される」と批判。ネット広告で全国から広く債務整理の依頼者を集めた弁護士事務所が、遠方の依頼者との面談を怠っている可能性を指摘し、日弁連に対し、各弁護士への規程順守の徹底や違反者の処分を求めている。

 日弁連は、朝日新聞の取材に「(意見書で)指摘された規程の運用は重要なものと認識している。更なる周知発信をしていく」と回答した。(遠藤隆史)

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