東京都議会の第3回定例会が18日開会した。小池百合子知事は所信表明で、子どもの医療費助成に設けてきた所得制限を来年10月にも撤廃する方針を明らかにした。独自の財源で所得制限を撤廃する区市町村が増える中、自治体間の格差を是正したい考えだ。

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 都は現在、児童手当の基準に準拠した形で医療費助成に所得制限を設けているが、23区は対象から外れた世帯も自主財源によって無償化し、さらに窓口での一部自己負担もなくす「完全無償化」を実施している。一方、多摩地区や島部では所得制限がある自治体があり、都によると、高校生では今年4月時点で11市村が所得制限を設けていた。

 小池知事は所信表明で「市町村をさらに後押しし、子育てしやすい環境を一層充実させる」と述べ、自治体への支援額を増やすことを念頭に市町村との協議を加速させるとした。助成拡充は小池知事が7月の知事選の公約で掲げ、都議会の自民党、都民ファーストの会、公明党などが所得制限撤廃を要望していた。

目黒区に都立児相を新設

 小池知事はまた、目黒区に都立児童相談所を新設することも表明。都によると、2031年度までを目途に「碑文谷保健センター」跡地に設置する方向で検討を進める。人口規模などを考慮し、目黒区と、隣接する渋谷区も管轄する方針という。

 都は、客が理不尽な要求をするカスタマーハラスメントの防止条例案や、物価高対策を盛り込んだ377億円の補正予算案など計90議案を提出した。3選後初めてとなる本会議に臨んだ小池知事は「選挙を通じて話してきた約束について全庁横断で取り組む体制を構築した。東京が時代を引っ張っていく覚悟で実現に臨みたい」と述べた。代表質問は25日、一般質問は26日。会期は10月4日まで。(太田原奈都乃)

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