神奈川県茅ケ崎市立小学校で女子児童が男子児童に体を触られる性被害に遭ったにもかかわらず、学校側が行事で被害者側の女児と加害者側の男児を鉢合わせさせてしまったことがわかった。女児は直後から体調を崩して心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断された。市教育委員会は「学校側の配慮が行き届かず、女児に申し訳ない」としている。
市教委によると、被害があったのは5月の休み時間。図書室にいた2年生の女児に6年生の男児3人が近づき、少なくとも1人が体に触れた。
学校は当日夕に女児の保護者から連絡を受けて事態を把握。男児側に指導するとともに、教室移動などの際に両者が接触しないよう対策を取ることなどを決めた。
だが10日後の避難訓練で、教員の誘導のもと2年生が6年生の教室に移動した際、被害女児が加害男児と居合わせた。気づいた両者の担任が居場所を離すなどしたが、男児を見た女児は体調を崩し、その後10日間欠席した。登校を再開してからも怖くて1人でトイレに行けなくなったという。
性加害・被害マニュアルもあったが
夏休み直前には、学校側が保護者や市教委の了解をとらないまま女児に、加害男児3人の反省の心情などを伝達。女児を怖がらせてしまったこともあったという。
市教委は3年前に性被害・加害の対応マニュアルを策定し、基本方針では「家庭や警察、児童相談所等との丁寧な連携を図る」としているが、今回は児相に連絡していなかった。市教委の新居博志・学校教育指導課長は「保護者が警察に相談しており、警察が対応すると考えた」と話した。(足立朋子)
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