高知県四万十町で見つかった突然変異とみられる米が半世紀を過ぎて国に品種登録されました。9日から物産店や量販店で販売していて風味豊かな香りが特徴です。

農林水産省に品種登録されたのは炊いた時の香りや風味が豊かな米、『十和』です。1955年ごろ四万十町井崎の上山さん夫婦が栽培していた米、“黄金錦”の中から他よりも背の高い稲穂を発見。突然変異種とみられるこの米は香りが良く、1957年当時、十和村の誕生を記念し“十和錦”と名付けられました。その後、国の品種登録を目指す動きはありましたが、実現することはないまま呼び名は通称として使われてきました。

そして、半世紀が経った2007年。発見者の上山さんと仁井田米などを扱う『宮内商店』の会長が再度、品種登録を試み、米の研究が専門の静岡大学の富田教授の協力を得て、『十和』という名称で農林水産省に申請し、2022年、念願の品種登録を果たしました。

その後生産者らと栽培に取り組み、2024年になって一定の収穫量を確保できたことから、9日、『十和』ブランドの米の販売を始めました。観光物産センター『ゆういんぐ四万十』や県内の量販店、およそ70店で取り扱います。

(宮内商店 宮内重延 会長)
「発見されてから約半世紀になります。やっと品種登録ができたわけです。この美味しいお米を全国の人に『十和』という名前でぜひ食べていただきたいと思います」

『十和』は100パーセントの香り米。そのまま炊いて食べてもいいですが、味の良い他の米に3割ほどを混ぜて炊き、いただくのがおすすめだということです。

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