15年以上前に閉院した病院が「心霊スポット」化したことで、騒音や不審火などが起き、住民たちは不安を募らせています。
取材を進めると、市や警察の介入が“困難”な理由が見えてきました。
新潟県糸魚川市大野にある『旧姫川病院』。
雑草が生い茂り、今はまさに「廃墟」です。
看板の一部は外れ、窓ガラスは大きく割れ、壁には誰かが書いた落書きも…。
姫川病院は1987年に中核病院として開業しましたが、“公立病院”ではありません。
地元住民らが出資して作られた病院で、特に内科と循環器科に力を入れ、この地域の医療を支えてきました。
【糸魚川市大野区 元区長 新井春雄さん】
「あんな大きなもの造ったんだからさ、ビックリするわけだ。これでいいぞ、住みやすくなるぞ!ってさ」
しかし2007年…。
22億円あまりの負債を抱えた姫川病院は、経営難で閉院してしまいます。
近隣住民によりますと旧姫川病院は、県内外から毎晩のように何者かが侵入する『心霊スポット』になっているといいます。
「インターネットで、“幽霊屋敷”とか…。不気味な感じだわね」
「壊してもらいたいんだよね、更地にして。誰が入るか分からないからね」
人が入らぬよう、近隣住民らは看板を設置しましたが、侵入者は後を絶ちません。
「以前は注意してたんですけど、注意しきれない感じになっちゃって…」
「ここ何年かは、来ていても、見て見ぬふりみたいになっちゃいますね」
土地の所有者に許可を得て、病院の敷地内に入ってみると…
「病院の壁には草木が絡まるように生い茂っていて、入口付近のガラスは割られていますね」
建物の中に入ったことがある人に、「姫川病院」について伺うことができました。
「当時のものとか結構残っていたり、心霊スポットしての“認知”が全国的に広かったりする」
また、多くの人が集まる理由については
「グレーな場所、法律的に取り締まれないってこともあって、そういう要因が重なって集まるんじゃないでしょうかね」
空き家問題に詳しい、美咲総合法律税務事務所の五十嵐勇弁護士は「不法侵入にあたる場合もある」としつつ、「建物の管理者がいなく、誰のものでもない建物を、警察が取り締まるのも難しい」と指摘します。
地元住民たちは「毎晩のように何者かが侵入する」と話しており、私たち取材班は夜も姫川病院の様子を確認することにしました。
すると午後8時ごろ、建物の1階部分で光が…
「懐中電灯の明かりでしょうか。中に人がいるみたいですね」
周りを照らしながら階段を降りる人の姿がありました。
建物内を移動しているのか、時折1階でも光が見えます。
「いま音が聞こえました。ガシャンと音が聞こえました!」
「今、1階部分が明るくなりました。誰かいるのでしょうか?」
「今ライトがまた消えましたね…」
この日、少なくとも2組が建物の中に入っているのを確認できました。
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