TSMC進出に伴い、人の動きが活発になった熊本県菊陽町や大津町などの周辺自治体では、盛り上がりを見せる一方で、住民たちが共通して口にする不満もあります。その現状を取材しました。
「渋滞を懸念」工場周辺の物件が人気に
今年8月にできたばかりの大津町のマンション。
アズマシティ開発 東伸彦社長「車で10分ぐらいでTSMCに行けると」
TSMCの工場から約2キロの場所にあるこの物件は、半導体関連企業の従業員や工場建設に関わる入居者が多いといいます。
東社長「渋滞を気にされるので、どうしても工場周辺の物件を探す方が増えてきている」
菊陽町や大津町の物件を管理する不動産会社によりますと、TSMC周辺のマンションやアパートは需要に対して不足している傾向で、その分、熊本市内から通う人が増えているということです。
深刻化する交通渋滞…JRも…
熊本市から菊陽町への移動が増えることで深刻化するのが交通渋滞です。
渋滞緩和に向け熊本県や菊陽町は、公共交通の利用を呼びかけていますが、ラッシュ時のJRの駅も、混雑しています。
JRで通勤「バスの中でも電車の中でも、立ってないと通勤できないようなそれぐらい混むようになった」
JRで通勤「東京から戻ってきたので、マシになるだろうなと思ってたんですけど、変わらない」
事前に準備「国から予算」のハードル高く
交通渋滞と鉄道の混雑。菊陽町の住民や通勤している人は共通して「早めの対策はできなかったのか」と口にします。
菊陽町民「こういう変化があるとわかっていたら事前に準備はできたんじゃないかなと思って」
菊陽町 まちづくり推進室 久保克也室長「別枠の予算として道路の整備ができるようになったというところで、全体の道路ネットワークがおおむね5年以内に整備できると、スピード感を持った対応ができるようになったと」
道路ネットワークの整備が進む
キャスター「TSMCは近い地域に第二工場の計画も発表されていますので、早く手を打たないと、この交通渋滞は解消しませんよね」
(スタジオ解説)特に、熊本ー肥後大津間の利用者が増加しています。そのため、熊本県はJR九州と一部区間での「複線化」に向けた協議を始めています。
その他、上下列車の行き違いができない駅の「ホーム機能強化」例えば、東海学園前駅や原水駅などが検討の対象となりそうです。
熊本県は13日、まさにインフラ整備に関するさらなる交付金の要望を国にしていて、その要望が実現すれば話が加速しそうです。
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