沖縄戦の戦火をくぐり抜け首里城の城壁沿いに唯一現存していたとみられるアカギの大木が18日、倒木のおそれがあるとして撤去されました。
首里城南口のバス停そばに立っていたアカギは、詳しい樹齢は不明ですが、沖縄戦より前からこの場所にありました。
米軍が切断して撤去しようとすると鳴き声がしたため難を逃れたという逸話から、地元では「泣きアカギ」として知られ保存されてきました。戦跡ガイドを務めていた男性が1960年代前半ごろ撮影した写真にも、沖縄戦で崩れたままの首里城の石積みの下に立つアカギが映っています。
「泣きアカギ」は、良好な状態で保全すべき那覇市の「都市景観資源」として維持管理され、現場の歩道はアカギが立っていた場所を避けるようにして整備されていました。
しかし、アカギを好む病害虫「アカギヒメヨコバイ」の被害を受けるなど内部の空洞化が進んで倒木の恐れが出てきたため、市が景観資源の指定を解除し、18日に撤去したということです。
那覇市文化財課によると首里金城町の石畳近くで国指定の天然記念物に指定されている「大アカギ」にもここ数年病害虫の影響が多少みられ、樹木医が堆肥(たいひ)を入れるなど回復を促しているということです。
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