熊本県の旅行支援事業を巡る第三者委員会の調査報告を受けて、きょう(4月12日)蒲島知事が臨時会見を開きました。
蒲島知事「県政に対する疑念を持たれるような事態にいたったことについて、知事として県民の皆様にお詫び致します」
第三者委員会はきのう(4月11日)提出した報告書で、旅行業者の不適切な受給や県幹部による見逃し指示について「認められなかった」と結論付けました。
一方で、「助成要件の決定事項や決定過程を書面化していなかった」ことや「検証せずに旅行業者が不適切受給をしたと断定した」点などを問題と指摘しています。
なぜ、このような対応となったのか、蒲島知事は当時の状況から担当者の心境を推察しました。
蒲島知事「(コロナ禍で旅行業者が)給料を払えないと非常に切迫した状態がありました。(担当課が助成を)急いでやりたいという気持ちがあったかもしれません」
県は第三者委員会の報告を受け、助成制度などの重要な意思決定については、その過程を書面に残すようきょう付で職員に通知したということです。
蒲島知事は「問題が起きた時にそれに気づき改める文化が築けなかったことを後悔している」と述べた上で、今後、県として指摘された課題・提言などを検証し、改善案を取りまとめるとしました。
県の対応は問題なかったということ?
田名網駿一アナウンサー「この問題を取材してきた市川記者です」
田名網アナ:熊本県は当初、この旅行支援事業の助成要件について、「国の『GOTOトラベル』と同じ取り扱いにする」と市川さんしていましたよね?
市川記者「そうです。ただ一方で、どこまで同じ扱いにするのかについては、『県の裁量』としていました」
市川記者「それにも関わらず、その細かな要件は書面化されておらず、旅行業者への周知もできていなかったことが今回の第三者委員会の調査で明らかになりました」
糸永有希アナウンサー「ルールを誰も明確に理解していなかったということになるんですかね?そうすると、人によって認識に食い違いが生じそうですね」
市川記者「第三者委員会は、助成要件を十分に理解していなかった県の担当者が、TKUヒューマンの旅行商品を誤って『不適切』と判断したとして、そもそも不適切な受給ではなかったとしました」
MC田中「そうなると、不適切受給を見逃すよう指示した疑惑はどうなりますか?」
田名網アナ「見逃し指示があったと指摘されていたのは、県の幹部が上層部から言われたという『ミリミリそこまで詰めなんや』『もうよかろう』などといった発言でしたよね」
市川記者「それについては、当時はまだ、県の制度設計が煮詰まっていない段階だったということで、上層部としては、『コロナ禍で疲弊する観光業を一日でも早く助けるための事業なのに、助成の要件を厳密に詰める必要があるのか』という趣旨だったとしています」
市川記者「ただ、その言葉を聞いた担当者たちは、不適切な受給があったという前提で動いていたため、旅行業者の不正を見逃す指示だと受け取ったとしています」
MC田中「そもそも出どころは、国のお金、国民のお金ってことになりますから、もうちょっと慎重になったほうが良かったんじゃないかと思いますけどね」
糸永アナ「この時期を思いだすと混乱していたのは確かだったと思うんですけど、だからこそ丁寧な仕組み造りとか、伝達の仕方とかも大事になったのかなという風に思いますよね」
市川記者「第三者委員会は、『県庁内で正確性を欠く報告や伝達が行われたことが問題』と指摘しています」
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