かつて鉄の都として栄えた福岡県北九州市。地元では、サバやイワシの”ぬかみそ炊き”や焼きうどん、焼きカレーなど数多くのご当地グルメが有名ですが、今、寿司を新たな名物として全国に売り出そうとしています。目指すは「寿司の都」です。
山陽新幹線「小倉駅」構内に立ち食い寿司
岩本大志記者「小倉駅から改札を通ります。そしてこのまま進んでいくと・・・このように新幹線の駅の改札の中に、立ち食いの寿司店が見えてきます」
新幹線ホームに上がる直前に立ち寄ることができる寿司店。
カウンターには、スーツ姿の客の姿が目立ちます。
寿司店の客
「博多の方に行くのでついでに寄ってみました」
「時間調整の時にちょうど手軽でいいですね」
新幹線の乗車前に手早く食べられる利便性の高さから利用客を引き寄せる立ち食い寿司。約10分間隔で、次々と客が入れ替わります。
平四郎・小林弘昌専務「第一声が時間がないと言って来られるお客様が大半。大丈夫ですと、自信あるので。何分ですか、10分ある、じゃあ余裕ですという感じでお寿司を出している」
訪れた客は、”寿司のイメージ全然無い”
最安値で一貫88円という手頃な価格も人気の理由ですが、一般的には「北九州といえば寿司」というイメージはないようです。
寿司店の客
「小倉は突然くることになって、(寿司の)イメージ全然なかったんですけど、新幹線下りたらおいしそうなものが見えたので寄ってみました」
「興味半々できたら、どえらいうまい。えらいこっちゃ。冗談じゃねえよ、ほんま」
北九州市長「寿司の都」目指すと宣言
目をつけたのは、北九州市に集まる新鮮で多様な海の幸です。出張や観光で訪れる人に北九州市の寿司を知ってもらおうと平四郎の出店も後押ししました。
市場が近く新鮮なネタが手に入るのが魅力
平四郎も店舗と市場の距離が近く新鮮なネタが手に入ることが魅力だと言います。
平四郎・小林弘昌専務「北九州中央卸売市場は車で5分から8分くらい。その距離感と市場の方々が新鮮なものを届けようとする努力がありますから」
「関門海峡」「響灘」「周防灘」3つの海に囲まれる北九州市
中心市街地のそばにある北九州中央卸売市場には近海で獲れた豊富な魚介類がずらりと並びます。
北九州市は、潮の流れが速い関門海峡、日本海側の響灘、瀬戸内海側の周防灘と3つの海に囲まれ多様な海の幸に恵まれているのです。
丸福水産・勝田潤一社長「この辺は北九州の岩屋とか。ほとんど北九州」「海流と、漁場が近いので水揚げして戻ってくるのが早いからその分鮮度がいい」「種類が豊富で、鮮度がいいのが魅力」
小倉城で「予約制」寿司イベント日が沈み天守閣に明かりが灯る小倉城
照寿司3代目・渡邉貴義さん「城と寿司という素晴らしいコンテンツ。例えば、寿司を食べるだけでなく海外のお客様に寿司を教えて食べる、新しいコンテンツを作っていきたい」
料金は3万3千円も客の評判は上々
小倉城から見える夜景と共に楽しむ特別感があるイベントですが、価格はなんと3万3千円。それでも評判は上々です。
訪れた客
「顎が落ちるくらいおいしいです」
「この場所で食べられるのは楽しいし、面白い」
やや強気な価格設定で外国人観光客も意識したお城の夜景やパフォーマンスも楽しめる寿司イベント。
駅で手早く手頃な価格で楽しめる寿司とはまったく逆のこのイベントも実は、北九州市が仕掛けたものでした。
「寿司の都」イメージ浸透なるか
北九州市・武内和久市長「3つの海に囲まれた北九州市。多くの寿司職人の方が腕を競っている北九州市。このあたりをどんどんアピールして1回来て味わって頂いたら180度印象は変わる」
照寿司3代目・渡邉貴義さん「寿司は港が近いところが一番うまいので、すごく近い距離にありますので、鮮度も漁業関係者の意気込み、技術もレベルが高い。そのへんが寿司のうまさかなって思います」
新鮮で多様な魚介類というもともとあった資源を利用して観光客にアピールしたい北九州市。「北九州市は寿司の都」というイメージが広く浸透していくでしょうか?
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