東京のベンチャー企業「スペースワン」は、和歌山県串本町の発射場から15日午前11時に小型ロケット「カイロス2号機」を打ち上げる予定でした。
しかし、企業は直前になって、風の影響で15日の打ち上げは延期すると発表しました。
新たな打ち上げの日時は決まり次第、発表し、15日正午をめどに詳しい説明を行うとしています。
当初の計画では2号機は14日の午前中に打ち上げられる予定でしたが、上空の強い風の影響で直前に延期されていて、2日連続の延期となります。
ロケットには5つの小型衛星が搭載されていて、打ち上げから50分余りあとに高度500キロ付近で衛星を切り離し、予定の軌道に投入する計画です。
初号機はことし3月、打ち上げの直後に爆発し、失敗していて、企業は対策を講じた上で2号機の打ち上げに臨んでいます。
衛星の軌道への投入が成功すれば、民間企業単独の打ち上げとしては国内で初めてとなるため、注目されています。
「上空の風が強くきょうの打ち上げは中止する」広報担当者
発射場からおよそ12キロ離れた和歌山県串本町のホテルの中にベンチャー企業の「スペースワン」が設けたプレスセンターでは、再びの打ち上げ延期を受けて、午前11時前から広報担当者が説明を行い、「上空の風が強くきょうの打ち上げは中止する」と述べました。
【朝の様子は】
近くの海水浴場に見学者乗せたバスが次々到着
和歌山県串本町のロケットの発射場からおよそ2キロ離れた田原海水浴場の見学場には、14日に続き、15日も午前7時半ごろから見学者を乗せたバスが次々到着しました。
延期された日も含めて串本町でのロケットの打ち上げを4回見に来ているという大阪・枚方市の60代の女性は「今回がいちばん天気がいいし、風も弱いように感じます。今度こそロケットが宇宙に飛んでいく姿を見たいです」と話していました。
また、大阪市から訪れた小学4年生の女の子は「きのうも来ましたが、きょうこそは絶対にロケットが宇宙に上がって衛星を届けてくれると思ってまた来ました。ちゃんと飛ぶかドキドキしますが、信じて応援しています」と話していました。
串本町の海岸 朝から多くの見物人
和歌山県串本町の海岸にある国の天然記念物、「橋杭岩」周辺には、14日から少し人数は減ったように見えるものの、朝から多くの見物人やアマチュアカメラマンが集まっています。
兵庫県西宮市から子どもと訪れた40代の母親は「きょうこそ打ち上げを願っています。きのうも見に来て延泊したので、絶対飛んでほしいです。3月に来たときは爆発して失敗したので、きょうこそはと思います」と話していました。
7歳の男の子は「必ず成功してほしいです。ロケットが飛ぶのが見られたらうれしいです」と話していました。
また、和歌山県上富田町から訪れた60代の男性は「橋杭岩でのロケットの撮影は、3月、きのう、きょうと3回目の挑戦です。万全を期してほしいのでいつまでも待つつもりですが、きょうは期待しています。橋杭岩の全景がきれいなので、そこからロケットが上昇していくのを撮影したいです」と話していました。
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