「宇宙太陽光発電」は、高度3万6000キロの宇宙空間に静止させた太陽光パネルで発電を行い、電気を電波に変換して地上に送る構想で、2045年以降の実用化が目指されています。
国からの委託でこの構想を進めている「宇宙システム開発利用推進機構」は4日、長野県諏訪市の高原でJAXA=宇宙航空研究開発機構や大学の研究者などと共同で長距離の送電実験を初めて行いました。
実験では、高度7000メートルを飛行する航空機の機体に設置した送電機から地上13か所に設置したおよそ10センチ四方の測定装置に向けて電波を照射し、正確に受信できるか検証しました。
航空機が上空を通過すると、いずれの測定装置でも電波を正確に受信したことを示す表示が出され実験は成功しました。
宇宙空間では天候や昼夜の影響を受けないため、太陽光での安定的な発電が見込まれるとされていて、今回の実験データを検証し、早ければ来年度にも小型の人工衛星を使った宇宙からの送電実験を行うことにしています。
「宇宙システム開発利用推進機構」の柳川祐輝プロジェクトマネージャーは「次は宇宙での実験に臨むことになるので重要なステップが踏めつつある。ただ、これまでは大気圏内で実験をしていたので、実際に宇宙から電気を送る際の影響などを考える必要があり、これからしっかり準備を進めていきたい」と話していました。
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