福島第一原発の1号機から3号機には、13年前の事故で溶け落ちた核燃料と周りの構造物が混ざり合った「核燃料デブリ」がおよそ880トンあると推計されていて、東京電力は11月7日に2号機で、事故のあと初めて小石状のデブリ1粒を試験的に取り出しました。
2030年代初めまでには3号機で本格的な取り出しを始める計画で、具体的な工法の検討を続けています。
原子力規制委員会は4日に開かれた会合で、本格的に核燃料デブリを取り出す際にどのように安全を確保していくか検討するため、今後、事務局の原子力規制庁と東京電力、それに国の専門機関「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」の間で意見交換を行うことを決めました。
デブリの取り出しにあたっては、どのようなリスクがあるか分かっていない面がある一方、東京電力側からは規制が厳しくなると作業が進みにくくなるという懸念も示されているということで、規制委員会は意見交換をもとに適切な安全確保のあり方を検討することにしています。
規制委 山中委員長「安全に早く進む規制は考えるべき」
原子力規制委員会の山中伸介委員長は4日の会見で、東京電力が福島第一原発で行う「核燃料デブリ」の本格的な取り出し作業について、「作業する職員や環境や住民への影響がないよう安全を確保するのが大前提だ」としたうえで、「遮蔽や臨界の管理などについて適切な規制のありようを議論していくことが必要だと思う。試験研究を行うような施設に要求されるような機能をそのまま福島第一原発にすれば、取り出しがスムーズにいかなかったり、設備の設置ができなかったりする不具合が予想される。できるだけ安全に早く取り出しが進んでいく規制のありようは考えるべきことだ」と述べていました。
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