男性が当時勤務していた会社によりますと、男性は1995年の阪神・淡路大震災の直後、仕事で被災した地域を回っていたほか、自宅から神戸市内の会社までオートバイで通勤していました。
男性は退職後に肺がんを発症し、医療機関を受診したところアスベストを吸い込んでいたことが確認され、3年前に労災の申請をしたということです。
勤務先ではアスベストを扱っていませんでしたが、男性は倒壊した建物などから飛散したアスベストを吸い込んだとみられ、神戸東労働基準監督署は昨年度、労災に認定しました。
NPO法人「ひょうご労働安全衛生センター」によりますと、震災に関連し、アスベストが原因で中皮腫を発症した人が労災に認定されるケースは、これまでもありましたが、肺がんを発症した人が認定されたのは、初めてとみられるということです。
NPO法人の西山和宏事務局長は「震災当時、解体作業に当たっていた人以外にも、多くの人が間接的にアスベストを吸い込んでいたと推測できる。定期的に健康診断を受診するなどしてほしい」と話していました。
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