見つかった「音声記録」

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版画家の棟方志功は、国際美術展「ヴェネチア・ビエンナーレ」で日本人で初めて国際版画大賞を受賞するなど海外でも高い評価を受け、昭和50年に72歳で亡くなりました。

出身地の青森市にあった「棟方志功記念館」はことし3月に閉館しましたが、別の美術館に作品などを移す際に倉庫から棟方の音声を録音したテープ5本が見つかりました。

音声はあわせておよそ5時間半あり、昭和35年ごろから昭和40年ごろにかけて録音されたとみられ、版画への思いやヨーロッパを旅行した際の感想などを話しています。

この中で棟方は、「美術や芸術は数が少ないほど価値があるとされるが、私はそうは思わない。版画は数多く刷るがゆえに本当の仕事になる」と版画に対する独自の考えを語っています。

また、棟方は丸みを帯びた菩薩(ぼさつ)や女性の版画を多く残していますが、「仏像は丸顔で、体は今の流行ではない6頭身などのものだが、しっとりとした緻密な肌を持っていてこれこそ日本の美だと思う」と述べています。

このほか「人のために拝み、祈るのが本当の宗教だ」などと、宗教観についても言及しています。

棟方志功の孫で棟方の研究をしている石井頼子さんは「棟方の版画に対する思いと美に対する思い、それに宗教観について話していてとても貴重な記録だ」と話しています。

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