違法薬物を譲り受けたとして、麻薬特例法違反罪に問われた精密機器大手「オリンパス」の元社長兼最高経営責任者(CEO)シュテファン・カウフマン被告(56)の初公判が23日、東京地裁(駒田秀和裁判官)であり、被告は「全て事実です」と起訴内容を認めた。検察側は懲役10月を求刑し、弁護側は罰金刑が相当と主張して結審した。判決は27日。

検察側は冒頭陳述で、カウフマン被告が友人の誘いで違法薬物を使い始め、密売人から購入するようになったと指摘。論告では「依存性が認められる」と非難した。

被告人質問でカウフマン被告は「1日16~18時間働いており、疲れを見せないために使った。売人から『警察やマスコミにばらす』と脅され、打開策を考えられなかった」と語った。

弁護側は最終弁論で、2月以降は薬物を断ち切っており、「依存性はない」と主張。最終意見陳述で被告は「非常に後悔している」と話した。

起訴状によると、カウフマン被告は昨年6~11月、東京都内で計3回、自称カメラマン金子高明被告(44)=同法違反罪などで起訴=からコカインやMDMAとみられる違法薬物を譲り受けたとされる。

シュテファン・カウフマン オリンパス元社長兼最高経営責任者(同社提供)

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