JR九州の古宮洋二社長は、23日、福岡市の本社で記者会見し、クイーンビートルの運航再開を断念することを明らかにしたうえで、「船体の対策を施してもクラック=亀裂の発生のリスクを完全に払拭(ふっしょく)できず、確実な安全が担保できない」と理由を述べました。

福岡市と韓国・プサン(釜山)を結ぶ高速船のクイーンビートルを巡っては、JR九州の子会社の「JR九州高速船」が船首内部の浸水を把握しながら事実を隠蔽し、3か月以上、運航を続けていた問題が明らかになりました。

JR九州は当初、再発防止に取り組むとともに船体の補強を行うことで運航再開を目指すとしていましたが、結局、断念する事態に追い込まれました。

JR九州高速船には、ことし10月、海上保安部が船舶安全法違反などの疑いで強制捜査に入っていて、会社は、捜査への対応などがすべて終わったあと、清算する予定だということです。

これにより、JR九州がひらいた日韓航路は30年余りの歴史に幕を閉じることになりました。

古宮社長は、「運航再開をお待ちいただいたお客様などのご期待に沿えず、深くおわび申し上げます」と陳謝しました。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。