稼働するクリープ試験機をチェックする澤田浩太グループリーダー=いずれも茨城県つくば市の物質・材料研究機構で
棒状の金属の試験片を高温状態にし、引っ張り続ける「試験機」が、物質・材料研究機構(NIMS、茨城県つくば市)にあります。金属の強度を確かめるためのもので、試験は1966年に始まりました。40年超にわたって試験片を引っ張り続けた世界最長記録を持っています。火力発電所の配管やタービンなど過酷な環境下で使われる金属材料の開発への貢献が認められ、国立科学博物館の重要科学技術史資料(未来技術遺産)に登録されました。 (増井のぞみ)世界最長のクリープ試験に耐えた炭素鋼の試験片。長い間、高温にさらされてさびている(物質・材料研究機構提供)
この試験は「クリープ試験」といいます。クリープは、高温下で力が加わった金属が時間の経過につれゆっくり延びる現象です。NIMSの研究棟を訪ねました。フットサルのコートくらいの広さに、円筒形の電気炉を備える台がぎっしりと並びます。この一台一台が「クリープ試験機」です。 電気炉の中では、長さ3~5センチの試験片が400~千度に加熱されると同時に、重りを使って100キロ~5トンの力で引っ張られています。室温は空調で24度に常に保っています。 現在は500台あり、9割以上が常に稼働しています。電気炉など消耗部分は最新機器に更新していますが、本体のフレーム部分は試験開始当初のもの。国立科学博物館の担当者は「これまで登録された未来技術遺産381件のうち現在稼働しているものは初めて」と話します。◆産官学が結集
試験治具を上下につかんで電気炉に入る範囲を示す木村一弘・特命研究員。試験治具の中央には長さ5センチの試験片が固定されている
64年に科学技術庁資源調査会(当時)から出された火力発電に関する勧告で、高熱に耐えられる経済的な金属材料の開発が必要とされました。日本鉄鋼協会に「クリープ委員会」がつくられて産官学が結集し、長期間にわたる試験のデータの記録・活用方法を確立しました。 この動きと並行し、NIMSの前身で東京・中目黒にあった金属材料技術研究所がクリープ試験機を製作。試験を始めた60年代後半は千台以上あり、30人以上が管理に当たりました。管理が自動化され台数も半分になった現在は4人が担当します。 耐熱金属材料には10万時間(11年5カ月)を耐える強度が求められます。木村一弘・特命研究員(64)は「火力発電の蒸気の温度を上げると、排出される二酸化炭素(CO2)の量を抑制できる。このため高強度の耐熱材料が求められる。その材料を開発するためクリープ試験が必要」と説きます。◆次世代燃料も
これまで約1万2千本の破断した試験...残り 967/1934 文字
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