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学校法人の不動産取引をめぐる横領事件で、共犯として、大阪地検特捜部に逮捕され、裁判で無罪が確定した山岸忍さん(61)が国に賠償を求めた裁判。

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結審を迎えた20日、国に証拠提出が命じられた取り調べ映像の一部が公開されました。この映像の扱い自体も裁判の焦点の一つとなり、今年10月、最高裁が、民事裁判での公開を初めて認めています。

2019年、担当検事・田渕大輔検事が、山岸さんの元部下に対して行ったものです。

2019年12月7日の取り調べ

大阪地検特捜部(当時) 田渕大輔検事                                         「学校法人が貸付じゃないじゃん」 元部下                                                        「それは学校法人が責任をとれる形で打ち合わせをしてもらってた」 大阪地検特捜部(当時) 田渕大輔検事                                    「違います。その実態をきちんと山岸さんに説明すればいいじゃないですか。なぜ、してないんです?」 元部下                                                      「説明はしていないです」 大阪地検特捜部(当時) 田渕大輔検事                                     「だからその理由をきいているんだよ」 元部下                                                         「ちょっといま…勘違いしました。大学が大きくなったとか…」 大阪地検特捜部(当時) 田渕大輔検事                                            「いい加減なことを言っちゃだめだろ」

こうして得られた証言を、検察は、山岸さんのが有罪立証の根拠としていました。

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■“見立て”否定に「嘘ついたよね?」

12月8日は、“山岸さんも共犯”という検察の見立てを否定する元部下に対し、約1時間半にわたって高圧的な取り調べを続けました。

2019年12月8日の取り調べ

大阪地検特捜部(当時) 田渕大輔検事                                         「何で嘘をつくんだ。何でこんな物が共有されてるんですか?会社の中で。何でですか?」 元部下                                                    「相談してはいけないと言われていたので」 大阪地検特捜部(当時) 田渕大輔検事                                              「何で相談してはいけないかは、説明されてるだろう。何で嘘をついて、何で共有してたんだ」 元部下                                                         「会社で共有したのでは…」 大阪地検特捜部(当時) 田渕大輔検事                                           「してるじゃないか」 大阪地検特捜部(当時) 田渕大輔検事                                            「何で嘘ついたの?」 元部下                                                     「嘘っていうか同僚…」 大阪地検特捜部(当時) 田渕大輔検事                                          「嘘だろ。今のが嘘じゃなかったら、何が嘘なんですか?嘘ついたよね?」 元部下                                                     「はい」 大阪地検特捜部(当時) 田渕大輔検事                                          「何で嘘ついたの?」 元部下                                                           「同僚に相談してはいけないと」

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■「検察なめんなよ」刑事裁判に

大阪地検特捜部(当時) 田渕大輔検事                                        「あなたさ、私の顔をよく正面から見られるね。大嘘をついた私に対して、よく正面から私の顔を見られるね。そうやって言われてから、視線外すじゃないか。面従腹背って言うんですよ。バカにしきってるじゃないか。なめ切ってるだろう。あなたも人生かかってるかもしれないけど、こっちは命かけてるから この仕事に。人の人生を狂わせることがあるからですよ。お試しで起訴なんてことはありえないんだよ。お試しで逮捕なんてありえないんだよ。検察なめんなよ。命かけてるんだよ、俺たちは。あなたたちみたいに金をかけてるんじゃねえんだ。かけてる天秤の重さが違うんだ。金なんかより大事な命と人の人生を天秤にかけて仕事してるんだよ。なめるんじゃねえよ。必死なんだよ、こっちは」

田渕検事は、取り調べで関係者を脅すなどした疑いで、刑事裁判が始まります。

大阪地検は「当庁としては、適性な取調べの実施に努めてまいりたい」とコメントしています。

山岸さんは、10月の意見陳述で「捜査のどこにミスがあったのか、公平かつ厳正に判断してほしい」と話していました。

プレサンスコーポレーション・山岸忍元社長                                        「私たちは、当たり前のことが当たり前になったと思うんですよね。それを司法検事たちは、猛反対してきたわけです。本当のことを言っているけれども、検察官の見立ての合わないことを言っているから怒っている。嘘をつかせているんです」 山岸さんの弁護団 中村和洋弁護士                                             「正義感だから怒鳴っていいとか、正義感があるから、相手が嘘ついてるから、乱暴な取り調べでいいとか、考え方そのものが誤っている。そのことが大きな人権侵害を生むと我々は考えています」 山岸さんの弁護団 秋田真志弁護士                                             「今回の取り調べもそうですし、背景にある検察の捜査のあり方そのものが問われる裁判でした。今回、可視化されているなかで、ああいう取り調べが行われている。検察の捜査のあり方、そしてそれを象徴したのは、きょうの取り調べであったと明確に位置付けるような形での判決を期待したいと思っています」

判決は来年3月に言い渡されます。

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