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 クマやサルだけでなく、キツネやタヌキなど、臆病だといわれる野生動物の目撃情報も相次いでいます。

■人生初のキツネとの遭遇…なぜ住宅地に?

 深夜1時半ごろ、エサを求めているのか住宅街をさまよう動物の姿が…。

深夜、住宅街をさまよう動物の姿 この記事の写真 麻布大学・塚田英晴教授
「キツネですね。ホンドギツネです」

 キツネは、日本各地に広く生息していますが、警戒心が強く臆病な性格のため、なかなか姿を現さないと言われています。

 40年以上この地域に住んでいるという投稿者も、「キツネを見たのは人生で初めてだった」そうです。

麻布大学・塚田英晴教授
「そこが生息地になってきたのだと思います。一時、姿を見せなくなったんですが、また、住みやすい環境が都市の中にも生まれてきたので、戻りつつあるような状況ではないかと思います」 麻布大学・塚田英晴教授「住みやすい環境が都市の中にも生まれてきたので戻りつつある」

■専門家「感染リスクを考えなくてはならない」

 塚田教授によりますと、大昔、キツネやタヌキなどの野生動物は、人が暮らす場所の近くに生息していましたが、近代に入り都市化が進むと姿を見せなくなりました。

 野生動物が、身近で暮らすようになると注意すべきことはあるのでしょうか。

麻布大学・塚田英晴教授
「いろいろな寄生虫や病原体を持っていますので、中には人にうつるような病気を持っていることもありますので、そういった意味では増えてきたら、そういった病気が感染するリスクを考えなくてはならない」

 キツネなどが主な感染源であるエキノコックス症は、排泄(はいせつ)物に混ざる寄生虫の卵がヒトの体に入ることで肝機能障害などを引き起こし、最悪の場合、死に至る可能性があります。

 ただ、自覚症状が現れるまでに十数年かかることもあるため、発見しにくいやっかいな病気です。

エキノコックスの成虫

■野生動物を受け入れつつ一定の距離感が必要

 キツネだけでなく、野生動物が暮らしにくいはずの都内でも、目撃情報が相次いでいます。

 大田区では、2匹のタヌキが緑道脇の枯れ葉をゴソゴソ探る様子が…。

東京・大田区で撮影されたタヌキ

 こちらは、港区六本木の駐車場です。

 人の気配に気づき、あわてて逃げ出す2匹のタヌキの姿をカメラが捉えました。

港区六本木で撮影されたタヌキ

 塚田教授によりますと、私たちの生活圏に野生動物が入ってくることを受け入れるべきとしながらも、一定の距離感を保たなければならないと警鐘を鳴らします。

麻布大学・塚田英晴教授
「エサを与えて野生の動物とは違った形にしてしまうと、いろいろな問題を引き起こすことにもなりかねませんので、付き合い方というか、野生動物は野生動物のままにしておくという」 麻布大学・塚田英晴教授「野生動物は野生のままにしておく」

■ペットの管理にも注意

 塚田教授によりますと、「外で飼っているペットの管理にも注意が必要」とのことです。

 エサを置きっぱなしにしていると、それを目当てに野生動物が庭などに現れ、ペットが襲われる可能性もあります。

 また、タヌキは、ヒゼンダニという小さなダニが寄生して起こる「疥癬(かいせん)」という皮膚病を患っていることがあるので、ヒトやペットへの感染に注意が必要です。

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