将棋の名門道場「八王子将棋クラブ」(閉所)の元席主で、羽生善治九段(54)ら多くの棋士を育てた八木下征男(やぎした・ゆきお)さんが11月26日に死去した。81歳だった。葬儀は親族のみで行った。

 1943年、東京都八王子市生まれ。77年に「八王子将棋クラブ」を開所した。翌78年に当時7歳、小学2年生の羽生少年が訪れ、棋士養成機関「奨励会」に入会する小学6年まで指導。棋士となってからも交流は続いた。

 2018年に閉所するまで、阿久津主税八段(42)、中村太地八段(36)、増田康宏八段(27)ら多くの棋士を育てた。閉所の際、道場を訪れた羽生九段は「八王子将棋クラブに通い、八木下さんと出会っていなければ、棋士には間違いなくなっていなかったと思います」と語っていた。

 21年、棋界への長年の貢献をたたえられ、日本将棋連盟から大山康晴賞を贈られた。10年から腎不全を患い、人工透析など闘病を続けていた。

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