10日、OECD(経済協力開発機構)は成人の社会生活スキルに関する調査を発表。日本は「状況の変化に応じた問題解決力」で1位を獲得するなど世界トップレベルだったことが明らかになった。
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その一方、調査で浮き彫りとなったのが、最終学歴と仕事との“ミスマッチ”だ。「最終学歴で学んだことが自分の仕事に最も関連する分野でない」と回答した人は46%(OECD平均:38%)。つまり、懸命に学力・能力を高めても仕事に結びついていないのだ。
文部科学省は、調査結果を受け、大学を含めた学校教育や企業における人材教育の充実、社会人の学び直しを推進する必要があるとしている。
大学院まで進学して“関係ない仕事”にアサインされる?
この結果について山田進太郎D&I財団 COO 石倉秀明氏は「日本の高校進学率は98.7%と高く、基礎学力は世界的に見ても平均的に高いことは元々知られていた」としつつも、数的思考力が16歳から24歳をピークに低下している点、さらにはフィンランドに比べて女性の修士・博士課程への進学率が低い点などについて以下のように指摘した。
「様々な研究で『日本は全然学生時代の力が生かせていない』ことが分かっている。仮に大学院まで進学して専門的な知識や論理的な思考力を身につけてもそのスキルが必要ない仕事にアサインされることも少なくない。この傾向は特に女性において顕著だ。よく『人手が足りない』『高度人材がいない』『DX担当がいない』などと嘆くがそれ以前に“今そこにいる人たち”の能力をフルで活かせていないのだ」
「管理職こそリスキリングが必要」
なぜ高度なスキルや知識を有している人材の力を活かすことができないのか?
石倉氏は「人を採用・配置する経営者・管理職の勉強不足」を指摘する。
「修士・博士に進んだ時にどういう力が身につくのか、その人材をどういう仕事でアサインすると最も能力が発揮できて生産性が高くなるのか分かっていないのだ。そんな彼らにこそ、リスキリングが必要だ」
(『ABEMAヒルズ』より)
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