17日から19日にかけて衆議院政治倫理審査会が開かれ、収支報告書に不記載があった自民党議員15人の審査が公開で行われるほか、参議院政治倫理審査会でも18日に4人の審査が公開で行われます。
この問題をめぐっては、旧安倍派、二階派、岸田派の関係者や、高額のキックバックを受けていた議員など、合わせて10人が政治資金規正法違反の罪で立件されたあと、ことし2月と3月にも衆参両院で政治倫理審査会が開かれ、事務総長経験者などの派閥幹部が弁明を行いましたが、誰のどのような判断によって一度は中止の方針が示されたパーティー収入のキックバックが継続されたのかなどは明らかになりませんでした。
その後、立件された元会計責任者の裁判が開かれ、いずれも有罪が確定しましたが、旧安倍派の元会計責任者は、被告人質問で「ある幹部から『ある議員が還付をしてほしいと言っている』という話があった」と、キックバック継続の経緯に言及したものの、その幹部や議員が誰かなど詳細は答えませんでした。
17日から始まる一連の政治倫理審査会では、萩生田元政務調査会長ら派閥の元幹部のほか、幹部から影響を受ける立場にあったとみられる議員の審査も予定されていて、不透明な資金の流れをめぐる派閥内の意思決定や、指示系統の実態解明がどこまで進むかが焦点となります。
政治過程論が専門の神奈川大学の大川千寿教授は「先の衆議院選挙で、政倫審での弁明が公認・非公認を決める1つの基準とされ、国権の最高機関の政倫審が利己的なみそぎの場になってしまったが、この問題にけりをつけるところまで国民の納得を得られるのかが問われることになる。疑念や不信が払拭(ふっしょく)されていない状況をしっかりと受け止めて、誠実に向き合ってもらいたい」と話していました。
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