年の瀬が迫り、2024年も残りわずか。今年もこれまで当たり前に販売されていたものが終了したり、今後廃止されたりするといった発表があった。効率化や物価上昇を背景に、世知辛い世相を映したかのようでもある。そんな物事を振り返った。(宮畑譲)

◆「お客さまが比較する面倒をなくす」

 今月2日、JR旅客6社は、往復乗車券を26年3月に終了すると発表した。片道601キロ以上だと運賃が1割引きとなる往復割引も終了する。往復乗車券は1887年から100年以上、販売され続けてきたが、再来年には歴史に幕を閉じることになる。

往復乗車券のイメージ(JR東日本提供)

 JR東日本によると、往復乗車券の利用は過去5年間で約2割減少し、指定席券売機やみどりの窓口で発券される中長距離切符に占める割合は16%にまで減ったという。ネット予約の普及などで販売枚数が減っていることに加え、広報担当者は「ネットで割安になるサービスがある。お客さまが比較する面倒をなくし、分かりやすくシンプルにした」と狙いを話す。  今後、紙の切符までなくなることはないのか。鉄道ライターの杉山淳一氏は「全員がカードや電子端末を持っているわけではない。紙の切符がなくなることはないと思う。ただ、切符にスタンプを押してもらうといった楽しみ方はなくなるかも」と予測する。その上で、「これまでも鉄道会社が楽しみ方を推奨したわけではなく、利用者が見つけてきた。別の楽しみを見つけていけばいい」と話す。

◆「どんな場面でも使えるシンプルさ」

 10月からは、手紙やはがきの郵便料金が値上がりした。それに伴いデザインが変更され、金額が書かれた部分に、コチョウランの意匠をあしらったはがきが販売を終えた...

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