シンポジウムは北朝鮮の人権侵害問題を考える啓発週間にあわせて政府が開いたもので、拉致問題担当大臣を務める林官房長官も出席しました。

このなかで、被害者の家族会代表で、中学1年生の時に拉致された横田めぐみさんの弟の拓也さんは「日朝首脳会談から22年が経過しました。5人の拉致被害者が帰国できたものの、それ以降は誰1人取り戻すことができておらず、拉致事件は現在進行形の人権問題です」と話しました。

そのうえで「拉致問題の解決は被害者家族の親世代が健在なうちに再会できることをタイムリミットとして求めています。政府は石破氏の強いリーダーシップのもと、みずからのことばに熱量を込めて、日朝首脳会談の際には拉致事件の解決なくして双方に明るい未来がないことを、ことばにしてもらいたい」と訴えました。

続いて母親の早紀江さんは「総理大臣をはじめ多くの政治家の方たち、善良な国民の方々、これだけたくさんの人が集まっているのに刻々と時が過ぎてしまいます。きょうもあしたも、あさってもその次もなんて言わないで、何とか早く解決に向けて実現させていただきたいと心からお願いいたします」と訴え、一刻も早いすべての被害者の救出を求めました。

今も安否が分からない拉致被害者は、政府が認定しているだけでも12人にのぼっていますが、健在な親は、88歳の早紀江さんと有本恵子さんの父親で96歳の明弘さんの2人だけとなっています。

シンポジウムのあと、拓也さんは「日本政府は悠長に構えている場合ではありません。政府が一丸となって強い姿勢を貫いてほしいです」と話していました。

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