能登半島地震では避難所で被災者が過密した状態で雑魚寝を余儀なくされたり、仮設トイレの備蓄が足りなかったりするなど過去の災害の課題が繰り返されました。
これを受けて国は避難所の環境を改善するため指針を見直し、13日公表しました。
このうち被災者が過ごすスペースは国際基準に沿って1人当たり最低でも畳およそ2畳分の3.5平方メートルを確保するとしています。
能登半島地震で被災した自治体の中には、地震の前に定めていた広さが1畳分程度だったところもあり、2倍ほどの広さを求められることになります。
また、入浴施設は50人に1か所設置するとしたほか、女性用のトイレは男性用の3倍整備するとしています。
さらに、温かい食事を提供できるよう、避難所に鍋や包丁などの炊き出し用の調理器具も備蓄するよう求めています。
坂井防災担当大臣は「能登半島地震の経験と教訓を踏まえ、避難所の環境改善を全国レベルで進めていきたい」と述べました。
指針の改定について避難所・避難生活学会の代表理事で、宮城県の石巻赤十字病院の植田信策副院長は、目標を明確にしたのは評価できるとしたうえで「指針は自治体にとって『参考』程度にしか伝わらない。『絵に描いた餅』にならないよう訓練を行っているかなども国がチェックしてほしい」と指摘しています。
一方、政府は自治体を支援するため来年度までに備蓄の拠点を現在の1か所から8か所に増やす計画を立てていて、コンロや炊飯器などの備蓄も検討しています。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。