◆「スタンバイ」求人の会社が取材に応じた
スマートフォンで履歴書も面接もなしに気軽に仕事ができる「スキマバイト」。 その求人の一つに「スタンバイバイト」があった。 何かの仕事で当日のスタッフに欠員が生じたとき、代わりに出動するために待機する「仕事」だ。 ワンダーグループ社(東京都渋谷区)はスキマバイトアプリ「シェアフル」に、「スタンバイ」の求人を出している。 いったいなぜ「待機」という求人を出しているのか。取材を申し込むと、快く応じてくれた。 会社が入る、新宿駅近くの雑居ビルを訪ねた。スタンバイバイトの待機部屋がある雑居ビル=東京都渋谷区で(一部画像処理)
以前、記者の1人が求人に応募し、早朝に「待機」したワンルームが入るビルだった。 小笠原将之営業部長(36)は私たちを応接室に招き入れた。 「何かありますか。何でも」 スタンバイ部屋の撮影にも応じてくれた。◆労働者の3割が現場に来ず、当日の代役を「スタンバイ」から
小笠原氏によると、ワンダー社では求人5人に対し、1人を余分に確保し、就業現場近くでスタンバイさせている。 「就業時間になっても3割の労働者が現場に来ず、当日になって労働力が急に必要になることもあるためだ」という。 短期人材サービスの業界では常識になっているとし、現場に来ないことを「飛ぶ」と表現した。 なぜ仕事に応募したのに来ないのか。 「理由はぼくらも分からない。応募したのに全然行かない。理由はさまざまです。連絡がないのもあるが、コロナ後で一番多いのは発熱。そんな現状がスタートとして前提としてある」待機部屋のホワイトボードには「電話にいつでも出られるようにして下さい」と書いてあった
新宿にスタンバイバイトを置くのは、求人が4人以下の現場にも対応するため。この取り組みは「業者から非常に喜ばれる」そうだ。 ワンダー社を利用する会社を取材した際、担当者が「人手不足もあり、集中的に労働力が必要なときは特に人が集まらない」と語っていたのを思い出した。 欠員が出た場合に仕事を断ると、スタンバイ代の給与さえもらえないのは問題ないのか? 質問をぶつけた。 「仕事を断ると、スタンバイ業務を遂行しないことになる。そこは労働条件通知書を事前にメールなどで確認してもらっている」 仕事を断らないことが前提のため、賃金が出ないのも当然ということのようだ。◆「言い方は悪くなるが、スタンバイはガチャ」
そういえば応募時に、そうした断り書きを読んだ覚えがある。 仕事の内容やその日の状況によって、働けない可能性は誰にでもあるはずだ。 そうした労働者の事情はさておき、ワンダー社によって拘束される時間が労働と認められないのは、何だかふに落ちない。 「スタンバイ」後の仕事を断る人は「ほぼいない」そうだ。 「ただ(現場に)向かっている途中にいなくなる人がいる。道具持っていったのに行方不明ということもある。なんでかは分からないが、現地へ行かない。いろんな人がいるなというところで」と教えてくれた。 「スタンバイは言い方が悪くなるが、ガチャなんですよね。新宿スタンバイはガチャ」とも言った。待機部屋の奥には、スーツやワイシャツ、ゴム手袋、安全靴など現場で必要な道具が置かれていた
仕事があるかもしれないし、ないかもしれない。あっても、どこに行くかは運次第という面もある。 労働環境を主体的には選べない労働者の立場が、その言葉には表れていた。◆「ルールを全部守っていたら、仕事の効率、めちゃめちゃ悪くないですか」
これまでの取材で、スタンバイ後に働いた先の現場で、ワンダー社以外の会社の人が指示を出していたケースを複数確認した。 これは禁止されている「日雇い派遣」や「偽装請負」の状態ではないのか? 疑問をぶつけると、こんな答えが返ってきた...残り 1536/3091 文字
「東京新聞デジタル」スタート
この記事は会員限定です。
※宅配(紙)をご購読されている方は、お得な宅配プレミアムプラン(紙の購読料+300円)がオススメです。
会員登録について詳しく見る
よくある質問はこちら
記事に『リアクション』ができます。ご利用には会員登録が必要です。
新規登録 ログインする記事に『リアクション』ができます。ご利用には会員登録が必要です。
新規登録 ログインする記事に『リアクション』ができます。ご利用には会員登録が必要です。
新規登録 ログインする記事に『リアクション』ができます。ご利用には会員登録が必要です。
新規登録 ログインするカテゴリーをフォローする
-
『カテゴリーをフォロー』すると、マイページでまとめて記事を読むことができます。会員の方のみご利用いただけます。
新規登録 ログインする -
『カテゴリーをフォロー』すると、マイページでまとめて記事を読むことができます。会員の方のみご利用いただけます。
新規登録 ログインする -
『カテゴリーをフォロー』すると、マイページでまとめて記事を読むことができます。会員の方のみご利用いただけます。
新規登録 ログインする -
『カテゴリーをフォロー』すると、マイページでまとめて記事を読むことができます。会員の方のみご利用いただけます。
新規登録 ログインする -
『カテゴリーをフォロー』すると、マイページでまとめて記事を読むことができます。会員の方のみご利用いただけます。
新規登録 ログインする
コメントを書く
有料デジタル会員に登録してコメントを書く。(既に会員の方)ログインする。
コメント機能利用規約コメントを投稿しますか?
コメントを削除しますか?
削除しました。
送信しました。
管理者へ報告
コメント機能利用規約に違反していると思う理由を選択し、内容をお知らせください。
報告する理由
内容の詳細
0 /150文字 `; }); $('.report_types').append(type_list); } var pending_count=resjson.data.status.max_rec-(page*no_item); if (resjson.success) { $('#more_button').html("もっと見る "+pending_count+"件"); $('#page').val(resjson.data.status.next_page) $('#comment_count').html(resjson.data.count); if(resjson.data.status.page_no=='1'){ var comment_title=`みんなのコメント${resjson.data.count}件
` $('#lst-comment-001').append(comment_title); } Object.entries(resjson.data.list).forEach(([key, value]) => { if (value.comment_status != 10) { if (value.reply_count == 0) { return; // Skip this iteration if reply_count is 0 } comment_list += `${value.comment_text}
`; if(value.comment_edit_status==10){ comment_list+=`管理者によりコメント編集済み
`; } comment_list+=` `; comment_list+=`コメントに『リアクション』ができます。ご利用には会員登録が必要です。
新規登録 ログインする `; comment_list+=``; //reply section comment_list+=`${value.self_text}
`; reply_list+=``; reply_list+=`${value.comment_text}
`; if(value.comment_edit_status==10){ reply_list+=`管理者によりコメント編集済み
`; } reply_list+=` `; reply_list+=`コメントに『リアクション』ができます。ご利用には会員登録が必要です。
新規登録 ログインする `; reply_list+=`有料デジタル会員に登録してコメントを書く。(既に会員の方)ログインする。
`; $('#reply-comment-' + comment_id).append(commentBox); const textarea = document.getElementsByClassName(`comment_reply_text_${comment_id}`)[0]; const charCount = document.getElementById(`charCount_${comment_id}`); textarea.addEventListener('input', function () { charCount.textContent = this.value.length; if ( this.value.length > 500) { charCount.style.color = 'red'; } else { charCount.style.color = ''; // Reset to default (black) } }); } function getIcon(icon_name,json,type) { if(type==10){ return `manager-icon.png`; }else if(type==20){ return `author-icon.png`; }else{ const iconArray = Object.values(json); if (iconArray.includes(icon_name)) { return icon_name; } return json["0"]; } } function toggleContent(trigger) { var content = $(trigger).siblings('.js-profile-content'); var isVisible = content.is(':visible'); if (isVisible) { content.removeClass('is-open'); } else { content.addClass('is-open'); } content.toggle(); }鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。