2歳の娘に暴行して死亡させた罪に問われ、逆転無罪が言い渡された父親の裁判で、検察が12日上告した。

父親は、検察への怒りをあらわにした。

今西貴大さん:5年半も無実の人間の身体拘束をしていて、するべきことは上告なのでしょうか。

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■「身体的虐待を加えていたことを示す事情は見出せない」と逆転無罪

今西貴大さん(35)は2歳の娘に対する傷害致死罪などに問われ、1審で懲役12年の実刑判決を受けたが、先月28日、大阪高裁は逆転無罪を言い渡した。

高裁の判決は、「身体的虐待を加えていたことを示す事情は見出せない」としていた。

■今西さんはことし7月の保釈まで5年半、拘置所での勾留が続いた

今西さんは、ことし7月に保釈されるまでおよそ5年半、拘置所での勾留が続いた。

判決後、今西さんの弁護団は大阪高等検察庁に対し、上告をしないよう申し入れを行ったほか、7000筆を超える署名を送っていた。

しかし大阪高検は上告期限となる12日、最高裁に上告した。

「上告審で適正な判決を求めるため」と説明している。

■「6年も人の自由を奪っておいて、さらに自由を奪うのでしょうか」

上告を受け、今西さんは検察への強い怒りを表明した。

今西貴大さん:6年も人の自由を奪っておいて、さらに自由を奪うのでしょうか。(検察は)自分たちの失敗を覆い隠すためだけに上告をしていると思う。完全無罪が出た今、検察がするべきことは謝罪と検証です。

弁護団は「上告理由など全く見い出せない。許しがたい暴挙だ」としている。

■「検察 無理するほどのことだったのか」と菊地弁護士

newsランナーコメンテーターの菊地幸夫弁護士は、検察の上告について次のような意見を述べた。

菊地幸夫弁護士:最高裁の上告審というのは、なんでも受け入れるわけではないです。憲法に反しているような事情がある場合、あるいは判例違反や限られた法律問題だけを判断するという最終審なのです。 今回検察側が、文句が言いたいのは事実認定の問題なんですよね。言ったのかどうなのかとか、乱暴を加えたのかどうなのかなど。それは事実問題なので、本来は最高裁で審理する対象ではないので、検察も無理をするほどのことだったのかなと。 せっかく無罪判決を2審で出されたので、今西さんのことももう少し考えてもよかったのかなと。 できるだけ早く今西さんが安らかな日を迎えられることをお祈りしております。

(関西テレビ「newsランナー」 2024年12月12日放送)

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