注目の裁判で無罪判決です。

「紀州のドン・ファン」と呼ばれた資産家の男性を殺害した罪に問われている元妻に、和歌山地裁が無罪を言い渡しました。

初公判から裁判の取材をしてきた、関西テレビ・菊谷雅美記者が、和歌山地裁前から中継でお伝えします。

注目を集めた約3カ月間にわたる長期の裁判員裁判は、被告人の犯人性を否定しただけではなく、事故の可能性も否定できないとするものでした。

須藤早貴被告は6年前、和歌山・田辺市で、元夫で資産家の野﨑幸助さん(当時77)に覚醒剤を摂取させ、殺害した罪に問われています。

直接的な証拠がない中、須藤被告は一貫して無罪を主張。
一方、検察側は須藤被告が事件前「老人 完全犯罪」などと検索していたことや、野﨑さんが覚醒剤を摂取したとされる時間に自宅で2人きりだったことなどを指摘し、無期懲役を求刑していました。

12日の判決で和歌山地裁は、検索について「殺害を計画していなければ検索することはありえないとまでは言えない」と指摘。

さらに、須藤被告が密売人から覚醒剤を購入していたとする検察側の主張も、「覚醒剤に間違いないとは認定できない。野﨑さんが誤って覚醒剤を多量摂取した可能性はないとは言い切れず、被告人の犯行に合理的疑いが残る」などとして、事故の可能性もないとは言い切れず、犯罪の証明もないとして無罪を言い渡しました。

――判決を言い渡された直後の須藤被告の様子は?

判決、主文が言い渡されると、弁護人から渡されたハンカチを顔に当てて、すすり泣く声も法廷には響きました。

そして閉廷後なんですけれども、無罪を言い渡された須藤被告ですが、別の男性に対する詐欺罪で懲役3年6カ月の実刑判決が言い渡されています。

そのため刑務官に連行されて、裁判長に一礼したあと法廷を後にしていきました。

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