日航は10日、1日のオーストラリア・メルボルン発成田行き774便ボーイング787(乗客乗員114人)に乗務予定だった59歳と56歳の男性機長2人から、呼気検査で基準を上回るアルコールが検出され、出発が3時間11分遅れたと発表した。
再度検査して検出されなくなったため出発。6日に国土交通省へ経緯を報告した。日航は処分を検討している。
日航によると、2人は現地時間の11月30日午後2〜4時ごろまでレストランで食事。スパークリングワイン1杯ずつとボトルワイン3本を注文した。社内で定めた飲酒量の制限を上回るアルコールを摂取したとみられるが、当初2人は飲酒量を申告せず、日航側も当時は誤検知と考えていた。今月3日の聞き取りで初めて規定を超える飲酒だったことを把握した。
日航は「乗務開始前に飲酒量が判明していれば搭乗させない判断もあった」と説明。「事態を重く受け止め、再発防止の徹底を図る」としている。国交省は「既に要因分析と再発防止を指示した。詳細な事実関係の報告も求めており、精査した上でさらなる対応が必要か考える」としている。
日航では2018年以降、飲酒を巡る不祥事が相次ぎ、18年と19年に航空法に基づく事業改善命令が出た。今年4月には羽田発米ダラス行き12便に乗務した男性機長が到着後に同僚とレストランやホテルで飲酒して大声を出すなどし、現地の警察から口頭注意を受けた。日航は乗務員らに滞在先での禁酒を指示し、9月末で解除していた。今月11日から飲酒禁止を再開させる。〔共同〕
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