大阪地方検察庁のトップ・検事正だった北川健太郎被告が部下だった女性検事に性的暴行を加えた罪に問われている裁判。

10月の初公判で北川被告が起訴内容について「争わない」と述べていました。

しかしきょう=10日、新たな弁護団が、「被害者が抵抗できなかったことについては合理的な疑いがあり、同意があると思っていたため、故意がない」などと北川被告が一転して無罪を主張する方針を明かしました。

また弁護団は、初公判で北川被告が起訴内容について「争わない」と述べたのは、「事件関係者を含め、検察庁にこれ以上迷惑をかけたくない」という理由があったことを説明したうえで、「北川さんの主張は被害者が実際に性交等に同意していたというものではありません。北川さんの当時の内心として同意があると思っていたと言う主張です」と述べています。

■被害者の女性検事「自己保身ゆえに再び否認に転じたのだと思います」

これを受け、被害者の女性検事が次のようなコメントを発表しました。

「被告は、私をどこまで愚弄(ぐろう)し、なぶり殺しにすれば気が済むのでしょう。
被告は、初公判で、『罪を認め争うことはしません。被害者に深刻な被害を与えたことを深く反省し、謝罪したい。』と述べていましたが、それは保釈を得るための芝居だったのでしょうか。

初公判により被告の卑劣で悪質な犯行や犯行後の言動が明らかになったことで、被告を非難する声が高まっていること、せっかく初公判で罪を認めたのに、保釈請求も却下され、また、私が一貫して判決確定まで損害賠償金の支払いに応じないと表明していることから、いよいよ実刑判決が見えてきたことに焦り、さらに、被告が親しい女性副検事に捜査情報を漏洩させるなどしていた疑いがあり、それについても処罰の可能性が出てきたことから、自己保身ゆえに再び否認に転じたのだと思います」

■「被害者を傷つけ続ける無反省で無神経な言動に見合った長期の実刑判決を求めます」

「被告は事件当初から弁解を二転三転させてきました。たくさん嘘もついてきました。被告の再びの嘘を誰が信用するのでしょうか。

検察のトップにいた人が、事件から6年もの間、一度たりとも被害者の苦しみを想像せず、真に罪を償おうと思うことがなかったことは、被害者としてもとても悲しく、検事としてもとても情けないです。

被告がどのように主張しようが、真実は一つです。司法の正義を信じます。

検察トップが犯した重大な罪と、被害者を傷つけ続ける無反省で無神経な言動に見合った長期の実刑判決を求めます」

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